コロナ禍でEC事業に参入する企業が増える中、飲食事業でもお惣菜や食材を商品化してECサイトで売り出す動きが出てきています。
これまでお店で出していたメニューを商品化して販売する際には少し注意が必要です。
今回の記事では、ECサイト等で食品販売をする際に気をつけたい事をお伝えしていきます。
食品販売には商標登録が必要?
食品を販売する際に商標登録が必要になるかは「オリジナル商品」であるかどうかによって決まります。
他社の食品を小売業として販売するのであれば、商標登録をするのはメーカー側なので販売者が登録をする必要はありません。
(販売するECサイトの名前は商標登録をした方が安心です。詳しくは以下の記事をチェック!)
しかし、「オリジナル商品」である場合、商標面でのリスクヘッジが必要です。
食品の商標登録は、その商品の性質を考慮すると特に重要だと言えるからです。
食品は、直接人の体内に入る商品であることから健康面や衛生面への配慮が重要視されます。
もし、あなたの販売している食品と同じ名称や紛らわしい名称の商品を他社が販売すると、どうなるでしょうか?
いくらあなたが品質の高い、安心安全な食品を作っていたとしても、消費者には質の悪い食品を販売する業者との見分けがつかずどのような品質かわからない商品が、市場で混在してしまうことになります。
特に、劣悪な他社商品が大量に出回れば自社ブランドに深刻な影響を与える可能性もあるのです。
そこで強い味方となるのが、「商標登録」です。
商標登録をすれば、日本国内でその商品名を使用できるのは自分だけになります。
安心で、美味しい食品を作っている会社である、という消費者からの信頼も商標は守ってくれるのです。

食品ならではの商標の特徴
食品の商品に使用する商標には、その性質上他の商品分野と比較して以下のような特徴があります。
商標登録ができない名前になっている商品が多い
食品の商品は商品名が「食材そのもの」の名前になっていることが多くあります。
「○○茶」、「〇〇パン」、「○○カレー」、「〇〇ラーメン」、「○○ケーキ」、「○○プリン」、「○○ふりかけ」などです。
また、「北海道ポテト」など産地を名前に入れた商品や、「激辛ラーメン」など商品の味をそのまま表した商品も多くあります。
しかし商標法の第3条1項3号によって、「商品の産地・品質・効能・用途等」をそのまま表示した名前は「記述的商標」とされ、登録できない可能性が高いのです。
例えば「おいしい牛乳」と言えば明治が有名ですが、実は森永をはじめ多くの会社が「おいしい牛乳」という商品を販売しているのをご存知でしょうか?
これは「おいしい牛乳」が上記の「記述的商標」に該当するため、誰も名前を独占することができず多くの会社が同じ名前を使用しているからです。

食品は商標登録の指定区分が複数に及ぶ
以前別の記事(以下参照)でご紹介した通り、商標登録をする際に特許庁に支払う費用は選択する指定区分の数によって変動します。
(指定区分の詳細は、特許庁のページ をご確認ください。)
食品は特に、複数の区分に分かれているため注意が必要です。
※ECサイトでの小売業は35類です。
29類 |
乳製品、加工野菜・果実など |
30類 |
茶葉、菓子、調味料など |
31類 |
野菜、果実など |
登録する区分を間違うと、せっかくの権利が無駄になってしまうこともあります。
ご自身の商品がどこに該当するのかしっかり確認しておきましょう。
食品販売をするなら商標調査を!
食品販売をする際には、商標の面で複雑な部分が多くあったかもしれません。
ご自身の商品を安心して購入してもらえるように、商標登録を検討してみてはいかがでしょうか?
食品ECも、商標登録!
なるほど!まかせてECを運営している マーケティングアソシエーション のパートナー企業 テックロー特許法律事務所 では、商標登録の無料調査を実施しています。
まずは現在使用している商品名が安心して使用できる名前なのか、調査をおすすめします。
