キャラクターと商標登録

キャラクターと商標登録

皆さん、自社商品やサービスの販促にキャラクターを活用していますか?
ご当地キャラ、萌えキャラ、ゆるキャラ・・・あらゆるキャラクターが日々生まれ、地域復興や商売の宣伝に活用されています。
それでは、キャラクターの権利はどうなっているのでしょうか?
今回は、自社でキャラクター活用をする際の権利の守り方についてお伝えします。

キャラクターと著作権

自分の考えや気持ちを作品として表現したものを「著作物」、著作物を創作した人を「著作者」、著作者に対して法律によって与えられる権利のことを「著作権」と言います。

著作物、著作者、著作権の違い
著作物、著作者、著作権の違い

商標権と違い著作権は著作物を創作した時点で発生します。
権利を得るための手続は、一切必要ありません。
つまり今私が手元で適当に落書きをしたとします。
その落書きの絵にさえも創作した時点で「著作権」が発生しているのです。

著作権の保護期間は、原則として著作者の生存年間及びその死後70年間です。
著作物には次のような種類があります。

  • 小説、脚本、論文、講演そのほかの言語の著作物
  • 音楽の著作物(歌詞含む)
  • 舞踊または無言劇などの動作の著作物
  • 絵画、版画、彫刻そのほかの美術の著作物
  • 建築の著作物
  • 地図または学術的な図面、図表、模型そのほかの図形の著作物
  • 写真の著作物
  • 映画の著作物
  • プログラムの著作物

上記の他にも「二次的著作物」「編集著作物、データベースの著作物」などがあります。

では、今回のテーマであるキャラクターはどこに含まれるでしょうか?
実はキャラクター自体には著作権は「ない」のです。

キャラクターには著作権がない??

熊本県PRマスコットの「くまモン」、人気アニメの「アンパンマン」「ドラえもん」は多くの人が知っている人気キャラクターですよね。
そして「キャラクター」とは、性格や外見などを組み合わせた抽象的な概念(人物像)のことをいいます。

例えば「ドラえもん」の場合

  • 未来からきた猫型ロボット
  • お腹の4次元ポケットから未来のアイテムを出せる
  • どら焼きが好物
  • ネズミが大嫌い

など複数の特徴から構成されています。
このような特徴を組み合わせた「抽象的な概念」をキャラクターと言います。

ではなぜそのキャラクターに著作権が発生しないのか?
理由は著作物であることを満たす4つの条件にあります。

  • 思想または感情が表れていること
  • 著作者の個性が表れていること
  • 表現されたものであること
  • 文芸、学術、美術または音楽の範囲に属するものであること

キャラクターはあくまで「抽象的な概念」であり、3つ目の「表現されたものであること」を満たしません。
そのためどんなにそのキャラクターの性格や外見に作成者の思いや想像力が発揮されていても、それが「具体的な形で表現されない限り」は著作物にあたらず、キャラクターそのものには著作権はないということになるのです。

キャラクターとは抽象的な概念のこと
キャラクターとは抽象的な概念のこと

どうやってキャラクターを守るか

ではどうやって、キャラクターは守られているのでしょう、
キャラクターに著作権がないのであれば、誰もが自由にキャラクターを真似て良いのでしょうか?

実はそうではありません。
「キャラクターそのもの」に著作権はなくても作者がキャラクターをイラストや漫画、アニメ、ゲーム、ポスターなど具体的な形で表現すれば、「表現されたものであること」という条件を満たし、著作権が発生します。

イメージ図

キャラクターそのものには著作権はないが、表現されたものには著作権がある
キャラクターそのものには著作権はないが、表現されたものには著作権がある

そのため、作者が作った漫画やアニメ、イラストを複製したりすることは著作権の侵害にあたります。
最近でも某有名アニメのキャラクターをケーキに描いて無許可で販売したとして、販売者が著作権法違反の疑いで書類送検されたニュースがありました。

しかし、著作権の侵害は判断が難しい場合もあります。
少し特徴を変更して表現されている場合や、自分のオリジナル著作物であると主張される場合もあるからです。
もちろん、誰から見ても明らかにそのキャラクターを真似ていると分かれば良いのですが、実際にはすぐには決着がつかず裁判で争われるケースもあります。

そこでおすすめしたいのが「キャラクターとキャラクター名の商標登録」です。
キャラクター名は短い文字であることが多く、著作物である条件を満たすことが難しいことがあります。
そこで多くの有名キャラクターはキャラクター名を商標登録することで権利を守っています。

登録第4288312号 任天堂株式会社
登録第4288312号 任天堂株式会社
登録第2473870号 株式会社フレーベル館
登録第2473870号 株式会社フレーベル館

また、決まったポーズなどがあるキャラクターは「図形商標」として登録することもできます。

登録第5387805号 熊本県
登録第5387805号 熊本県
登録第4247910号 任天堂株式会社
登録第4247910号 任天堂株式会社

商標登録ができた場合、権利者は第三者とライセンス契約を結んで、そのキャラクターの使用に応じてライセンス料を得るということも可能です。

自社商品やサービスにキャラクターを活用しようとする場合の注意点や権利の守り方についてご不明な点があれば、お気軽にお問合せください。
また、現状使用しているキャラクターが商標登録可能かの調査も無料で行っています。
権利面でのリスクヘッジをして、キャラクター活用をすすめていきましょう!

ネーミング相談窓口のご案内

なるほど!まかせてECを運営している マーケティングアソシエーション のパートナー企業 テックロー特許法律事務所 では、商標登録の無料調査を実施しています。

キャラクターを活用したいなら、まずはリスクヘッジから!商品だけでなく、キャラクターも権利を守りましょう。

ネーミングについて相談する(サービスサイトへ遷移します)
▼投稿のシェアをする▼