ISO感度とは?カメラを使いこなして商品写真で差をつけよう

写真を撮ったとき、「あれ?写真が暗い?」と感じたことはありませんか?
今回は、写真の明るさに影響する「ISO感度」についてお話しします。

写真の明るさを決める3つの要素

写真の明るさを決める要素は以下の3つです。

  • 絞り(F値)
  • シャッタースピード
  • ISO感度

photographerやカメラに熟達した人は、マニュアルモードでこれらの数値を状況に合わせ弄って撮影しています。

幻想的な雰囲気の植物の写真
幻想的な雰囲気の植物の写真

例えば上の写真はあえて写真が暗くなるようにISO感度を弄った上で被写体にだけ光を当てるというテクニックを用いて撮影しました。
幻想的な雰囲気を出せているのではないでしょうか。

ISO感度とは?

ISO感度とは、国際標準化機構(International Organization for Standardization)で定められた国際基準のフィルム感度のことを指します。

デジタルカメラとは被写体に当たった光をレンズから採り込み、それを撮像素子というデジタルデータに変換し、撮影したものをカメラのディスプレイに表示するカメラです。
撮像素子に当たった光は電気信号によって処理され写真になるのですが、暗いところでは通常シャッタースピードを上げられず、手ブレが酷くなってしまいます。
しかしISO感度を2倍にすると半分の光量で済むようになるので、暗いところでも明るく写真が撮れるようになります。

もっと端的に言うと、

ISO感度が低いとシャッタースピードを上げられない

そうすると手ブレしてしまう

解決策の一つとしてISO感度を上げるとカメラが夜目が効くようになり暗いのに明るく撮れる。ついでにシャッタースピードが上がり、おまけに手ブレしなくなる

ということです。

ISOの数値は64~100辺りが基準になります。
私が良く使うのは100~250の間でしょうか。

AUTO オート。初心者が最初に使うモード。
64~100 ISO感度の基準。最も画質が良い。風景や物、ポートレートで使われる。
200~400 画質と感度の調和がとれている。迷ったらこれ。
1600以上 画質がいまいち。
ただしISO25600あるような機種なら2000、2500辺りなら蛍や星空の撮影に使える。

ISO感度は使用しているカメラによって最低値が異なります。
私の使用しているNICONのD850ですとISO64~ISO25600の間で変更可能であり、その数値の最低値と最高値の下にそれぞれ1段階ずつ増減できる設定があります。

数字が小さくなればなるほど画質は綺麗に硬質になり、数字が上がれば上がるほど暗い場所での撮影の際にシャッタースピードを上げる事が出来、明るくマイルドな風合いで撮影することが出来る反面、画質はざらざらしていき綺麗とは言えない写真となっていきます。

このざらざらを「ノイズ」と言いますが、ISO感度を引き上げて電気信号が増してしまったが為の弊害とも言えます。

しかしどうしてもISO感度を上げなければいけない状況もあります。
例えばシャッタースピードを求められるのに暗い場所、水族館や動物園の室内などです。
他にも猫カフェなどの動物がいる施設、卒業式などの式典、飲食店などはフラッシュ(ストロボ)が他の人や動物の迷惑になってしまいます。
こういった場合は、事前にテスト撮影を行い、ISO感度の数値を調整してから撮影に臨みましょう

ただ、これはマニュアル撮影の場合で、オートモードにしている場合はカメラが自動でやってくれます。

ちなみに暗い場所で最大のISO25600まで上げて撮影した場合、ノイズは凄くてざらざらしているし、被写体はなんかのぺっとしているしであまり見れたものではありません。
私はフラッシュ撮影ありきで、ISO2500(カメラの機種によっては、特に一昔前のだとこれでもキツイ)くらいまでしか上げません。

また逆に下げすぎると、ハイライトがキツイ・白飛びしすぎる・黒潰れするという状態を起こし、写真の暗くなっている部分が良くわからなくなってしまいます。
下げるとしても、ISO100~200位が限度でしょう。
余談ですが、10年くらい前の一眼レフですと最低値がISO200までというものが多かったと思います。

ISO感度・絞り(F値)・シャッタースピード

さて、ISO感度を弄ると写真が明るくなると説明させて頂きましたが、代償もあります。

例えばISO感度を100から200に上げると、カメラに注がれる被写体からの反射光が100しかないものを無理やり2倍にするということなので、その分だけ画質が落ちてしまうのです。

尤も、説明するために例を挙げたのあって、ISO100から200にしたところで実際は劣化具合などほぼ無いと言っていいレベルですので、この程度であれば気にしなくて大丈夫です。

昼間野外で撮影する場合はISO250~600位もあれば十分すぎるくらいで、あとは絞り(F値)の数値を高くして暗くしたり、数値を低くして明るくしたり、あるいはシャッタースピードを遅くして明るくする、速くして暗くするなどして微調整します。

文字だけだと分かりづらいので図にしてみます。

ISO感度の数値について
ISO感度の数値について

ISO64とか100とか数値が低いほどより細かい描写が可能になる反面、暗くなっていくので、外付けストロボやLEDライト、モノブロックと呼ばれる大きな照明器具で光を補ってあげる必要が出てきます。

シャッタースピード1/80,F1.8,ISO2000
シャッタースピード1/80,F1.8,ISO2000

上の写真は、ISO感度を2000まで上げ、絞りはF1.8(※F値の最低値はレンズにより変わります)、シャッタースピードは1/80で撮影したものです。(少し明るさを弄っていますが。)

注目して欲しいのは暗くなっている部分です。
カウンターの木目の部分が不鮮明で何となくざらついていますよね?これが、黒潰れであり、感度を上げたが故のノイズです。
それでもそこそこ綺麗に見えるのはキャンドルを上手く使ってライティングしているからです。

この写真では感度2000まで上げても補いきれないものを、絞りとシャッタースピードで調整して、更にキャンドルの光も利用して補っているという事になります。

絞り(F値)の数値について
絞り(F値)の数値について
シャッタースピードの数値について
シャッタースピードの数値について

それぞれの数値の関係性は上の図の通りとなっています。
全ての数値で丁度よいポイントを探すのは大変ですが、ISO感度を下げるなら残り2つの数値も低く・遅くする、と考えて良いと思います。

逆にISO感度を高くするなら、他2つの数値も高く・早くします。
大抵の場合、ISO感度で明るさの調整をするより、他2つの数値を調整する方が写真は綺麗になります

【比較】ISO感度の違い

以下2枚の写真は、ISO感度以外はすべて同じ条件で撮影しました。

シャッタースピード1/60,F4,ISO25600
シャッタースピード1/60,F4,ISO25600
シャッタースピード1/60,F4,ISO64
シャッタースピード1/60,F4,ISO64

下の写真は真っ黒になってしまっているのでもちろん論外ですが、ISO感度を上げただけの上の写真も猫の毛並みを再現できていませんし、陰になっているところも何なのか分からないくらい暗いですし、全体的に黒潰れを起こし、のっぺりした感じで、ざらついて汚くなっています。

ISO感度を上げれば良いというものではないことが分かるのではないでしょうか。

ISO感度を上げれば、ISO感度が低いときに比べ明るく撮れるが、やりすぎると画像の質に悪影響が出る、という認識で最初の内は問題ないかと思います。

しかしISO感度が低くても、効果的に光を当てられれば、ドラマチックな写真は撮れます。

ISO感度は低いがLEDライトを当てて撮ったネコ
ISO感度は低いがLEDライトを当てて撮ったネコ

上のネコの写真はLEDライトの光を当てていますが、黒潰れの程度も問題なく、雰囲気のある写真になったのではないかと思います。
動物の場合、ストロボのようにとても強い光を至近距離から当てると失明に繋がることもあるので注意が必要です。

植物も同じ方法で美しい写真を撮ることができます。

シャッタースピード1/100,F6.3,ISO250
シャッタースピード1/100,F6.3,ISO250

ISO感度を低めにして綺麗に撮影する方法

ここまで「ISO感度を上げて明るく撮影する」とお話してきましたが、実は、ISO感度を下げつつ綺麗に撮影する方法もあります。

それは三脚を使うことです。

ISO感度を下げつつも、シャッタースピードを遅くすることで明るく撮影する方法は、容易に手ブレを起こし、何を撮影したのか良くわからないという事態になりやすいのですが、そこで三脚を使用します。
三脚は新品でなくとも、中古のものでも構いません。

手ブレとはシャッターを切った際に、カメラが被写体を認識し画像データとして記録する前にカメラが動いてしまうことによって起こるものです。
分かりやすく例えるならば、A地点を写し込んでカメラがその被写体を50%まで理解し処理している時に、ピントがB地点に写ってしまい、残りの50%はそこを写して記録してしまったがために、A地点とB地点が両方写り込んだ・・・という様な状態です。

シャッタースピードを遅くし、カメラを動かして撮った写真
シャッタースピードを遅くし、カメラを動かして撮った写真

少し強引な一例写真になりましたが上の写真は、シャッタースピードを下げ、くるりとカメラをストロボなしで動かした写真です。
ブレすぎて、何が写っているか分からないですよね。(写真の表現方法としてブレを効果的に使うという手法もありますが。)

三脚を使う事で、こういった手ブレを防ぐことができます。
ISO感度が低く光を取り込む量が少ないところに、シャッタースピードを遅くしてじっくり被写体から反射する光を読み込ませることができるのです。

ただしシャッタースピードは遅くすればするほどディスプレイ画面に表示される時間も遅くなるので、お試しの際は覚えておいてください。(初めてやると、「カメラが壊れた!?」と焦ってしまうことがあります。)

また三脚を使用したとしても、あまりにもシャッタースピードが遅いと、シャッターを押した振動でブレる事もありますので、タイマー機能や外付けタイプのシャッターを使った方が無難です。(その辺の家電量販店でも売っています。)

ちなみにISO感度を下げたまま、スローシャッターで、尚且つ三脚を使って撮影した写真がこちらです。

ISO感度を下げつつ三脚で固定して撮った花火の写真
ISO感度を下げつつ三脚で固定して撮った花火の写真

ISO感度を下げてノイズを軽減し、三脚を使って手ブレを抑えているからこそ美しく仕上がっています。
文字で見るとやることが多く感じるかもしれませんが、初心者の方でもコツさえ掴めば結構簡単に撮影できます。

ISO感度を上げスローシャッターかつ三脚で固定して撮ったホタルの写真
ISO感度を上げスローシャッターかつ三脚で固定して撮ったホタルの写真

上のホタルの写真は、ISO感度を上げ、スローシャッターで撮影しています。(もちろん三脚で固定しています。)
ホタルのようなか細い光で、尚且つ飛び立つ瞬間が短い場合は、上記のような方法もありです。

水はブレさせつつ、周りはブレないようにして撮った滝の写真
水はブレさせつつ、周りはブレないようにして撮った滝の写真

上の滝の写真は、あえて水はブレさせて、周りは三脚を使用してブレさせない事で静と動を作り出すという撮影テクニックが利用されています。
カレンダーなどでよく見るテクニックですよね。

周りを綺麗に写すためにはノイズの少ないISO感度の低いものを求められますので、三脚は必須という訳です。

いかがでしたでしょうか?
オート撮影も良いものですが、ISO感度をうまく使いこなし、他の機能も使いこなすことで、他社よりも良い商品写真が撮れるはずです!是非チャレンジしてみてください。