みなさんのお住まいの地域にはどんな特産品がありますか?
食品に工芸品など、地域を代表する商品をECサイトで全国に発信することで地域活性化を狙う地方自治体はたくさんあります。
さて、そんな地域の特産品についても「商標登録」でブランドを守れることをご存知でしょうか。
今回は地域活性化に繋がる「地域団体商標」についてお伝えします。
実は身近な「地域団体商標」
「地域団体商標」という文字だけ見ると、馴染みのないものだと思うかもしれませんが、実はみなさんの生活のとても身近なところに「地域団体商標」は存在します。
地域団体商標の例
山形県 米沢牛:商標登録第5029824号

引用:https://www.jpo.go.jp/system/trademark/gaiyo/chidan/shoukai/ichiran/5029824.html
栃木県 塩原温泉:商標登録第5067303号

引用:https://www.jpo.go.jp/system/trademark/gaiyo/chidan/shoukai/ichiran/5067303.html
東京都 江戸切子:商標登録第5085277号

引用:https://www.jpo.go.jp/system/trademark/gaiyo/chidan/shoukai/ichiran/5085277.html
沖縄県 沖縄そば:商標登録第5008493号

引用:https://www.jpo.go.jp/system/trademark/gaiyo/chidan/shoukai/ichiran/5008493.html
いかがでしょうか?皆さんもよく知っている地域の名産品や温泉地の名前。
それらは「地域団体商標」として、特許庁に登録されている登録商標なのです。
「地域団体商標」とは、地域の特産品等について、事業者の信用の維持を図り、「地域ブランド」の保護による地域経済の活性化を目的として平成18年4月1日に導入されました。
通常「地域名+商品(サービス)名」の組み合わせからなる文字商標は ”全国的に広く知られたもの” でなければ登録できません。

引用:https://www.jpo.go.jp/system/trademark/gaiyo/chidan/t_dantai_syouhyo.html
例えば、「北海道ポテト」などは単に商品の産地を表しているだけということで本来は商標として認められません。
それを一事業者が営業努力や宣伝等で広めた結果 ”全国的に広く知られた” 商標となった場合に、登録対象になります。
しかし、地域団体商標制度ではこの「広く知られた」の要件が緩和され、特定の要件を満たすことで組合等の団体名義で「地域名+商品(サービス)名」の組み合わせを商標登録できるのです。
「地域団体商標」は地域活性化に繋がる?
「地域団体商標」を登録するメリットは何でしょうか?
それは、地域ブランドの権利を守ることができ、消費者からも一定の信頼を得ることができる点にあります。
例えば「近江牛」をお中元にもらったとします。
お肉を食べる前から「近江牛」であることで「良いお肉だ!」と想像がつきますよね。
対して誰でも「近江牛」と名前がついているお肉を販売できたらどうでしょうか?
質の悪いお肉も「近江牛」ブランドを名乗って販売される可能性が出てきてしまいます。
それではせっかくの特産品のブランドを守ることは難しいですよね。
これは食品に限らず、工芸品や温泉地の名前でも同じです。
地域ブランドを守ることで、他者が勝手に使用しないよう防御ができ、また、そのブランド名を使用する団体員・組合員のブランドに対する自負を形成することで、更なるブランド力の増大・地域活性化につなげることができるのです。
特許庁も「地域団体商標」の登録を推奨しており、特許庁が開設する以下のサイトで、地域団体商標制度の活用事例を紹介したガイドブックを閲覧することができます。

引用:https://www.jpo.go.jp/system/trademark/gaiyo/chidan/document/tiikibrand/ebook/2020/index.html
秋田県の「横手やきそば」、岡山県の「井原デニム」など地域団体商標の登録でブランド力を向上できた事例がたくさん載っています。
ぜひ一度覗いてみてください。
「地域団体商標」の登録要件
登録のポイントは4つあります。
1.地域に根ざした団体の出願であること
農業協同組合や漁業協同組合といった事業協同組合や商工会議所、特定非営利活動法人(NPO法人)などが当てはまります。
2.団体の構成員に使用させる商標であること
商標を使用するのは団体・組合ではなくそこに所属する組合員等になります。
3.「地域名」+「商品・サービスの一般名称」に関連性があること
例えば、「近江牛」「南部鉄器」「関さば」などのように商標に含まれる地域の名称はその商品の産地などである必要があります。
4.一定の地理的範囲の需要者間である程度有名であること【特に重要!】
出願団体又はその構成員の使用により、一定の地理的範囲の需要者(最終消費者又は取引事業者)に知られていることが客観的事実(販売数量、新聞報道など)によって証明できることが必要です。
特産品は「地域団体商標」のご検討を!
ECサイトで販売する商品が、地域の団体・組合で使用しているブランドだった場合、ぜひ一度「地域団体商標」の登録を検討してみてください。
「地域団体商標」は地域のブランド力を最大化できる強い味方です。
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国内であれば無料で、商標調査と登録確率の予測をさせていただきます。
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特産品を地域団体商標登録し、ブランドを保護・強化しながらECサイトで全国に発信するお手伝いをさせていただきます。
