ECサイトを制作しようと考えたときに、「様々なサービスがあって、どれを利用して制作すればいいのか分からない!」と考えたことがある人は多いのではないでしょうか。
今回は、ECサイトの制作方法や、制作方法の選び方、手順などについて解説します。
ECサイト2種類の制作方法
ECサイトを制作するには大きく2つの方法があります。
- ECモールに出店する
- 自社ECサイトを制作する
上記の2つの方法について、それぞれメリット・デメリットを解説します。
ECモール
ECモールとは、複数のショップが集まっているECサイトのことです。
インターネット上の“三越”、“高島屋”、“イオン”などとイメージすると分かりやすいかもしれません。
“イオン”に関しては“イオンモール”と呼ばれることがありますよね。
日本における代表的なECモールはAmazonや楽天、Yahoo!ショッピングです。
それぞれの特徴は以下の通りです。
Amazon
日本だけでなく世界中で広く利用されているECモールです。
ただしAmazonは、楽天やYahoo!ショッピングのようにモールに自分の店を出店する「テナント型ECモール」ではなく、商品を出品する「マーケットプレイス型ECモール」なので、ECモールではなくECサイトという見方もできます。
そしてAmazonは国内トップの売上高を持つECサイトです。
マーケットプレイス型ECモールの特徴として、商品単位で出品が可能のため、気軽に始められます。
参考:【2020年版】EC売上ランキング1位はアマゾン。2位はヨドバシ、3位はZOZO、4位はビックカメラ、5位はユニクロ
https://netshop.impress.co.jp/node/8076
楽天市場
楽天株式会社が運営するECモールです。
日本におけるECモールのパイオニア的存在であり、利用者数は国内最大となっています。
参考:ニールセン、デジタルコンテンツ視聴率のMonthly Totalレポートによる オンラインモールのサービス利用状況を発表
https://www.netratings.co.jp/news_release/2022/02/Newsrelease20220225.html
Yahoo!ショッピング
ヤフー株式会社が運営。
出店料と月額利用料が無料のため、コストを抑えたECサイト運営が可能です。
コストが安いことから、他のモールよりもかなりショップ数が多くなっています。
参考:【2021年最新版】国内のECサイト・ネットショップの総稼働店舗数
https://ecclab.empowershop.co.jp/archives/71965
自社ECサイト
自社ECサイトとは、ECモールとは逆に自社ショップだけで構成されたECサイトです。
現在では月額数千円から利用可能な初心者向けのサービスが増加してきていて、誰もが気軽にECサイトを構築できるようになってきています。
ASPやオープンソースなど(後程詳細を説明します)を活用すれば、初期費用を抑えることも可能です。
またECモールで値下げ競争に巻きこまれることがないので、比較的高い利益を確保できます。
自社ECサイトの6種類の制作方法
自社ECサイトの代表的な構築方法には、以下の6つがあります。
これら6つの制作方法について、解説していきます。
構築方法 | 代表的なサービス |
---|---|
無料ASP | BASE、STORESなど |
有料ASP | MakeShop、futureshop、カラーミーショップなど |
ECパッケージ | ecbeing、Commerce21など |
クラウドEC | Shopify、ebisumartなど |
オープンソース | EC-CUBE、Magentoなど |
フルスクラッチ | - |
無料ASP
無料ASPとは、初期費用や月額費用がかからないASPカートのことを指します。
代表的な無料ASPには、BASEやSTORESなどがあります。
何と言っても初期費用・月額費用がかからないところが魅力です。
BASEは無料プランのみで月額費用はかかりません。
STORESには月額費用無料のフリープランと、月額費用2,718円のスタンダードプランがあります。
プランによって決済手数料、利用できる機能や決済手段が異なってきます。
BASE:https://thebase.in/
STORES:https://stores.jp/
有料ASP
有料ASPは、ECサイト構築の知識がなくても簡単に独自ドメインでECサイトを立ち上げることが可能です。
無料ASPと比べて、ECサイト運営に必要な機能は基本的に揃っていて、かつ有料とは言え低価格で利用することができます。
代表的なものは、MakeShop、futureshop、カラーミーショップなどがあります。
ASPは他の制作方法と比較して安価ですぐに導入できることがメリットです。
またECパッケージと違い、システムが自動でアップデートされるので、システムが老朽化・脆弱化する危険がありません。
一方で、カスタマイズが難しいので、中・大規模の自社ワークフローを適合させたい企業には向いていません。
MakeShop:https://www.makeshop.jp/
futureshop:https://www.future-shop.jp/
カラーミーショップ:https://shop-pro.jp/
ECパッケージ
ECパッケージとはECサイト運営に必要な機能が最初から揃っていて、導入するだけでECサイト運営を開始することができるサービスです。
一般的には、標準機能に自社用の追加カスタマイズを行います。
代表的なものとしては、ecbeing、Commerce21などがあります。
カスタマイズ可能でありながら、フルスクラッチよりも安価かつ短い期間で運用開始できるところが魅力です。
一方でカスタマイズするためASPよりは費用が高くなりますし、ASPと違ってシステムが自動でアップデートされないので、運用していくうちに老朽化してしまいます。
ecbeing:https://www.ecbeing.net/
Commerce21:https://www.commerce21.co.jp/
クラウドEC
クラウドECとは、ASPとフルスクラッチの良い部分を掛け合わせたシステムと言われています。
クラウドサービスなので常にシステムが最新の状態にアップデートされますし、フルスクラッチのように自社の希望に合わせてカスタマイズできる構築手法となっています。
ECパッケージの弱点を補ったものとも言えるでしょう。
代表的なものは、Shopify、ebisumartなどがあります。
デメリットは少ないですが、有料ASPほど安価ではありません。
つまりECパッケージ同様、まとまった資金を拠出できる中・大規模のEC事業者に向いているシステムでしょう。
Shopify:https://www.shopify.com/jp
ebisumart:https://www.ebisumart.com/
オープンソース
オープンソースの代表的なものには、EC-CUBE、Adobe Commerce(旧:Magento)などがあります。
オープンソースの最大のメリットはライセンス費用が発生しないことです。
したがって、オープンソースを導入する技術力さえあれば、非常に安価にECサイトを構築することができます。(もちろんサーバーは自社で用意する必要があります。)
上記のことからECサイトを作る技術力やサーバー保守まで可能な会社にとっては、選択肢の1つとなり得ます。
ただしオープンソースは「オープン」されているが故に、常にセキュリティの脆弱性というリスクが付いてまわります。
ライセンス費用が発生しないということは開発者には責任もなく、障害が起きた場合は全て自社の責任となります。
こういったリスクを踏まえた上で、これらのリスクをカバーできる技術力を持っている企業には、オープンソースのメリットは十分あります。
EC-CUBE:https://www.ec-cube.net/
Adobe Commerce:https://business.adobe.com/jp/products/magento/magento-commerce.html
フルスクラッチ
ゼロからECサイトを設計するため、自社の基幹システムや物流システムなどに合わせたシステムを構築することが可能です。
基本的には実現できない要件はありませんが、導入までに膨大なコストと時間がかかります。
またASPとは違いシステムは老朽化するので、数年に一度はシステムを刷新する必要があります。
以上のことから、年商が数億円あるECサイト以外では、選択肢として考えるべきではありません。
ECサイト制作方法の選び方
それぞれの制作方法の特徴が分かったところで、「結局どの方法で制作するのが良いの?」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。
一般的には個人事業主か法人かで、オススメの制作方法が大別されます。
さらに法人でも年商1億円未満か、年商1億円以上かによって、適切な制作方法が異なります。
ECサイト運営者 | 適切なサイト制作方法 |
---|---|
個人事業主 | 無料ASP |
法人-年商1億円未満 | 有料ASP |
法人-年商1億円以上 | クラウドEC |
個人事業主には無料ASPがオススメ
個人事業主としてECサイトを開設したい人には無料ASPが向いています。
理由は以下の3点です。
- 低コストで開設することができる
- 専門知識がなくてもASPの機能を利用すれば実装できる
- 基本的なECサイト開設フローを把握できる
ECサイトを構築する際には無料ASP以外の方法では最低でも「数十万円程度」はかかってきます。
「数百万〜数千万円」まで初期費用がかかることも珍しくありません。
無料ASPでは、この初期費用を大幅に抑えることができます。
これは個人事業主にとっては大きなメリットとなります。
また決済機能の実装など、初心者には設定が難しいものも、ASPには最初から機能として備わっているので、余計な手間もかかりません。
デザインも1クリックで簡単に決められます。
したがって個人事業主がECサイトを開設する際には、無料ASPがオススメです。
年商1億円未満の法人には有料ASPがオススメ
年商1億円未満の企業には有料ASPがオススメです。
EC事業を行うには、Webやマーケティングに関するある程度のノウハウが必要になります。
これらがあまりない状態で、初めからECサイトの導入や維持にコストをかけてしまうことはリスクが高くなってしまいます。
しかし有料ASPは他の制作方法と比べると比較的低コストで利用できるので、リスクを最小限に抑えることができます。
無料ASPと比べると自由度も高いので、ある程度機能が豊富でクオリティの高いECサイトを作ることができます。
まずは有料ASPを使ってEC事業を軌道にのせ、ECサイト運営の知識を深めていこくこともできます。
ASPのデメリットは拡張性が無く、事業を拡大するときにシステムを乗り換えなければならなくなってしまうことですが、有料ASPの一部では、特定の業種(海外向けやレンタル事業)に特化したサービスもあります。
これを使えば、将来的に事業拡大にすることになってもECシステムを変更する必要がありません。
もちろん、事業の成長や変化に合わせてカスタマイズできないASPや機能もあり、システムを変更する際はコストや手間が発生することになるので、将来を見据えて企業の負担が大きくならないように慎重に検討することが大切です。
年商1億円以上の法人にはクラウドECがオススメ
年商1億円以上の企業にはクラウドECがオススメでしょう。
前述の通りクラウドECにはECサイト運営に必要な機能が一通り揃っています。
パッケージサービスでありながらECパッケージのデメリットも補うことができているので、システムも常に最新の状態へと自動でアップデートされ、無駄な管理コストもかかりません。
有料ASPよりも遥かにカスタマイズ性が高く、自社のイメージに合う独自性の高いECサイトを構築できることも、大きなメリットとなります。
つまりECサイトをゼロから作り上げるフルスクラッチと同等の自由度がありながら、導入や維持のコストを安価に抑えることができるということです。
構築の難易度も低いので、構築期間もフルスクラッチより大幅に短縮できます。
気をつけるべき点を挙げるなら、導入費だけではなく、維持費も発生することを理解して、予算を立てましょう。
ECサイト制作方法の選び方で注意するべきポイント
ECサイトの制作方法を選ぶときには、同じようなサービス同士を比較することになります。
初期費用・月額費用で比較して決める方が多いのですが、実は比較しなければならないポイントは他にもあります。
それぞれのポイントで正しい情報に基づいて比較しなければ、「実は割高なサービスを選んでいた」ということにもなりかねません。
ここからはECサイトの構築方法を比較する際に、重要だけど忘れられがちなポイントを解説します。
手数料
まず大前提として「決済手数料まで無料」というサービスは存在しません。
例えばBASEやSTORESなど、無料でサイトを開業できるサービスはありますが、実際に売れた場合にはクレジットカード決済などを含んだ手数料が掛かります。
その中でも実際に商品を販売した際にかかるクレジットカード決済手数料の安いサービスは「Makeshop」と「Shopify」です。
Makeshopは決済手数料が3.14%であり、Shopifyはプランに応じて決済手数料が下がり、最上位のShopifyPlusというプランになると決済手数料は3.15%となります。
拡張性
パッケージサービスには様々な機能が標準装備されています。
またカスタマイズを前提としているので、自社のニーズを叶えるECサイトを作成できるでしょう。
有料ASPは拡張性が非常に高く、多くの機能を追加することができますが、将来的に自社内にプラグラマーなどの開発要員がいない場合は、いずれ機能を拡充することが困難になると予想されます。
将来ECサイトの規模を拡大するつもりであれば、作成時点で拡張性に配慮しましょう。
サポート体制
ECサイトは毎日稼働しているので、「困った時すぐに聞けない」状態では顧客に迷惑をかけてしまいます。
そこですぐに相談できる電話窓口はあるのか、チャットやメールなど問い合わせチャネルは充実しているか、受付時間は何時までなのかなど、サポート体制の観点からも比較する必要があります。
決済方法
昨今では以下のように、様々な決済方法があります。
- クレジットカード
- コンビニ決済
- 代金引換
- 銀行振込
- キャリア決済
- 電子マネー(Suicaなど)
選択肢を狭めてしまうと消費者の購買機会を逃してしまう可能性があります。
かと言ってあまりに多くの決済方法を採用してしまうと、管理が大変になってしまいます。
大事なのは様々な決済方法の中から、優先度の高いものを選ぶことです。
そうして選んだ決済方法に対応しているサービスで、ECサイトを制作しましょう。
可能であれば、実際に自社の顧客のニーズを調査し、ニーズの高い決済方法を選択するとなお良いでしょう。
現状だけでなく、将来のことも見越して選ぶ
ECサイトを構築する際には、このように費用やコストだけではなく顧客の使いやすいさや利便性にも配慮してサイト構築を検討しなければなりません。
また現状の顧客の年代や性別をターゲットにするだけではなく、将来的に増やしたいターゲット・ニーズのことも考慮できるとなお良いでしょう。
いずれ店舗が拡大してたときに、新たなターゲット・ニーズに対応するためにECサイトを1から再構築するとなると、更に多額の資金が必要になってしまうからです。
ECサイト制作手順
代表的な構築方法である「無料ASP」と「有料ASP」、「クラウドEC」の一般的な制作手順についてご紹介します。
無料ASP
機能が制限されている分、無料ASPの制作は他の手法と比べて比較的簡単です。
手順は以下の通りです。
アカウント登録
↓
デザインテンプレート選択
↓
商品登録
↓
テストとして実際に注文してみる
↓
運用開始
1.アカウント登録
まずは、アカウントを登録します。
次にサイトURLを決定する必要があるのですが、このとき独自ドメインかサブドメインかを選択します。
個人であればサブドメインでも構いませんが、企業としてECサイトを作るのであれば、独自ドメインの方が良いです。
サブドメインでは、企業の信頼性が疑われてしまうかもしれません。
2.デザインテンプレート選択
無料ASPには数十種類のデザインテンプレートが用意されていますので、そこから自社の雰囲気に合うデザインを選択します。
選択したテンプレートからメインカラーなども選択することができます。
ちなみにデザインを選ぶ際には派手なものではなく、シンプルなものを選択する方が無難です。
多くの顧客はECサイトのデザインや世界観よりも、商品の良し悪しを求めているからです。
なるべく商品の良さが際立つテンプレートを選択しましょう。
3.商品登録
サイトデザインが決まったら、実際に商品を登録する作業に移ります。
実際はこの作業に一番時間がかかります。しかし絶対に手を抜けない作業です。
なぜならこの商品登録が売上に直結するからです。
商品説明は、どんな人が来て、どのような内容を気にするかを想像して書いてみましょう。
4.テスト注文してみる
最後にテスト注文をおこなってみてください。
これは実際に注文が来た際にも慌てないように、練習しておくためです。
大事なのは、全ての決済方法でやってみることです。
開店前に、つぶせる不測の事態はできるだけつぶしておきましょう。
有料ASP
有料ASPを利用するポイントは「自社固有の業務フローをどうやってASPに合わせるかを考えること」です。
有料ASPの制作手順は以下の通りです。
外注業者(ベンダー)選定
↓
サイトデザイン作成
↓
商品登録
↓
テストとして実際に注文してみる
↓
運用開始
1.外注業者(ベンダー)選定
基本的な流れは無料ASPと同じです。ただしベンダーは慎重に検討選定しましょう。
ポイントは要件を決めておくことです。
すべての理想を実現したいというのはカスタマイズができない有料ASPには限界がありますので、下記の例のようにどうしても実現したい要件を絞っておくことが重要です。
実現したいECシステム要件の例:
・画面は自社のデザイナーで作成したい
・定期販売の周期を商品ごとに設定したい
・連携必須のツールは○○
2.サイトデザイン作成
有料ASPでは事前に用意されたテンプレートからデザインを選択することはもちろん、自社デザイナーや外注業者に依頼して、デザインを作りこむことも可能です。
テンプレートを使用すれば(基本的には)追加費用は発生しません。
外注業者に依頼すると追加費用が20万円から100万円程度かかります。
有料ASPであれば、シンプルで優れたテンプレートも存在するので、こだわりが無ければテンプレートを利用することも検討しましょう。
3.商品登録
多くの有料ASPには、商品登録を一括で行うためのCSVファイルのアップロード機能が用意されています。
大変便利な機能ですが、業務効率ばかりを意識して顧客の心に響かない説明文ばかりにならないように注意してください。
4.テスト注文してみる
有料ASPでも、テスト注文は必須です。
無料ASPと同じように、受注・決済・発送などの手順を確認しておきましょう。
クラウドEC
無料ASPや有料ASPと違い、クラウドECの制作は「システム開発の部類」に該当するため、ECサイトの開設までには少なくても3ヶ月から6ヶ月くらいはかかります。中には1年以上かかってしまうケースもあります。
下記の手順がクラウドECの一般的な制作手順です。
外注業者(ベンダー)選定
↓
要件定義
↓
設計
↓
開発・デザイン
↓
テスト運用
↓
トレーニング
↓
商品登録
↓
運用開始
1.外注業者(ベンダー)選定
まずはASPと同じように依頼するベンダーを選定します。
2.要件定義
クラウドECを利用する場合、有料ASPよりも圧倒的に自由度が高い分、より詳細な要件定義をする必要があります。
ポイントはショップを運営するにあたっての課題を整理して、それらを解決するための運用フローを想定することです。
自社だけでは難しい場合は、ベンダーに相談してみると良いでしょう。
3.設計
要件定義が終了したら、実際にどのような画面になるのか、どういった機能が実装されるのか、必要となる項目は何かなどの設計をベンダー側が行います。
そして設計書を作成し、依頼主に了承を得て開発やデザインの工程に遷移します。
4.開発・デザイン
設計書に基づいたシステム開発・デザインが行われます。
5.テスト運用
システム開発・デザインがある程度できてきたら、テスト運用を行います。
システム全体が設計書の定めた仕様通りに動作するのかを確認するためです。
6.トレーニング
テスト運用を通過すると実際に使用する運用者に対して、操作方法や運営方法などをレクチャーするトレーニングを行います。
この後は無料ASPや有料ASPと同様のフローで商品登録を行い、運用が開始されます。
ECサイト制作で注意するべきポイント
ECサイトを制作する際は以下の2点に注意する必要があります。
担当者が使いやすいシステムを選ぶ
備わっている機能がたくさんあれば拡張性は高いですが、普段運用する担当者が使わない機能ばかり羅列されていても意味がありません。
業務を効率化する一番のポイントは、単純作業などを簡略化することです。
なので表面上のシステム機能やスペックばかりを意識せず、担当者が操作しやすいシステムを選択するようにしましょう。
デザインはオシャレさよりも、ユーザーの使いやすさを優先する
制作手順でも解説しましたが、ECサイトの本質は世界観ではなく、商品自体の魅力です。
サイトデザインを検討する際は、どうしてもおしゃれで華美なものを選択しがちです。
おしゃれなサイトは実際に、サイトを訪れたユーザーの関心をひきやすいという側面もあるでしょう。
しかし、商品自体の魅力を表現するには、商品を際立たせる必要があります。
そのためには、サイトのデザインはシンプルに、しかし商品画像や商品説明は顧客の心に響くようなものを用意した方が売上に直結しやすいです。
ECサイトの乗り換え時に気をつけるポイント
今現在ECサイトを運営している人でも他社と差別化できなく、ロイヤリティが高いなどの理由から乗り換えを検討している人もいるのではないでしょうか。
ECサイトの乗り換えをする際にどのような点を注意すれば良いのかを解説します。
既存のお客様が自動ログインできなくなる
ECサイトのシステムを乗り換えると、自動ログインが無効になる影響で、お客様はIDとパスワードの再入力が必要となってしまいます。
その際にIDやパスワードを忘れていたり、入力を面倒に感じてしまったお客様が離脱してしまったりする可能性があります。
事前のアナウンスやログインキャンペーンなどを実施してこれを防ぎましょう。
旧サイトからSEOの設定を引き継がないと、アクセス数が落ちる
システムを乗り換えると、これまで蓄積してきたサイトへの評価が失われてしまい、検索順位が落ちることによって顧客が減少してしまう可能性もあります。
リダイレクト設定でSEOのデータを引き継ぎ、顧客を失わないようにしましょう。
万が一乗り換え後に問題が発生してしまったときのために、旧システムに戻せるようにしておく
システム乗り換えを行う際に、意図しないシステムエラーや不具合が発生して、急遽旧システムに戻さなければならなくなることもあります。
その際に旧システムに戻せる準備ができていなければ、システムエラーや不具合が解消されるまで、ECサイトが利用できないことになってしまいます。
こういった機会損失を防ぐためにシステムを乗り換えた際には、旧システムに復旧できる準備を合わせて行っておきましょう。
ECサイト制作の前に大事なこと
ECサイトを制作するにあたって、最大の目的は商品の売上を上げることです。
しかしそのための準備が万全でなければ、せっかくコストを払ってサイト構築しても無駄な出費となってしまいます。
そこでサイトを制作する前に考慮しておくべきことを解説します。
最適な制作方法を選ぶために、しっかりと要件定義しておく
ECサイトを制作する際には、全ての要望が実現できるわけではありません。
あらゆる要望の中から優先順位を決めて、優先順位の高いものから実際にシステムや機能に落とし込み実装をしていくことになります。
つまり、どのような要件を実現させたいかを事前に考えておくことが大切です。
不要な機能や追加仕様にコストをかけてしまってムダな出費にならないようにしましょう。
ECサイト及び商品のコンセプト・ターゲットを明確にしておく
ターゲットを明確にしなければ、サイトのデザインも設計も定まりません。
商品のコンセプトやどのようなターゲットにアプローチをするのかは事前に明確にしておきましょう。
サイト制作だけでなく、商品登録やテスト注文にかかる日数・時間も、制作期間として考慮しておく
意外と忘れられがちなのが、商品登録やテスト注文にかかる日数・時間です。
サイトが完成したらすぐに運営開始できるように考えてしまうかもしれませんが、商品登録やテスト注文をせずにサイトをオープンさせることはできません。
また商品登録が上手くできなかったり、テスト注文で問題があった場合は、さらに時間がかかってしまいます。
スケジュールは余裕を持って検討しておきましょう。
商品発送の体制を整えておく
予想以上の注文が入ってしまうと発送が遅れてしまったり、在庫切れになってしまったりして、せっかくの購買機会が失われてしまいます。
最悪のケースとして顧客が離脱してしまう可能性もあります。
ECサイトを構築するのと合わせて商品発送のオペレーションも整え、スムーズに発送業務ができるように準備を整えましょう。
ECサイト制作後に大事なこと
ECサイトは継続的な運用を行うことで、はじめて最大限に活用することができます。
最後にECサイトを開設した後に、留意するべき点を解説します。
在庫をしっかりと管理する
ECサイト運営において在庫管理は重要な業務となります。
欠品は機会損失につながり、逆に過剰在庫は経営を圧迫します。
そのような事態に陥らないために、在庫管理はきっちりと行い、在庫の実数と保管データ数があっているか、日頃から確認する習慣をつけましょう。
集客の体制作り
ECサイトにおける集客方法は、広告の多様化によって複雑化しています。
特にECモールと比べると自社ECサイトは認知度も低く、集客が難しくなっています。
ただただ広告費を浪費するだけでなく、集客の体制づくりを行いましょう。
バックエンド業務の効率化
ECサイトのバックエンド業務は毎日行われるもので、受注からはじまり、在庫管理、商品登録、売上や経費の管理、サイトのメンテナンスなど多岐にわたります。
これら業務を効率化することができれば、間接的に人件費の削減と売上アップに繋がります。
サイト運営を始めたばかりの頃は余裕がないかもしれませんが、利益に影響する部分ですので、サイト運営後は徐々に効率化に取り組んでいきましょう。
お客様の満足度を高め、リピーターになってもらう
どれだけECサイト構築を完璧に行い、商品情報を過不足なく登録できたとしても、顧客対応が行き届いていなければ、お客様は増えていきません。
こちらも利益に影響する部分ですので、できるだけ早い段階で顧客対応の体制や質を見直しましょう。
遅くなればなるほど、リピーターになったかもしれないお客様を取り逃がしてしまいます。
まとめ:自社の目的に適ったECサイト制作方法を選択することが大切
ECサイトの構築から乗り換え時に心がけること、サイト制作前後の心構えについて説明してきました。
もちろんサイト制作時のコストや費用を比較して検討することも大切ですが、最終的には「自社の目的に適ったサイトを構築できるか」が一番大事です。
一度運用すると乗り換える際には莫大な費用と時間を要するので、システムを導入する際には慎重に検討しましょう。
また最初から完璧にサイト構築をできることは少ないので、まずは必要最低限の機能を揃えてECサイト運営を始めてみましょう。運営してみて初めて分かることもあるでしょう。
ぜひこの記事を活かして、売上増加につながるECサイトを構築してください。
ECサイト制作をお手伝いします!
「どの制作方法が自社に合っているのか分からない」という方には、まずは300社以上の実績を踏まえたアドバイスをご提供いたします。
ご相談からでも構いませんので、お気軽にお問い合わせください。