スマートフォンやPCの普及に伴い、私たちの生活に欠かせない存在となったネットショッピング。
そんな中「ECサイトの運営」は、企業・個人問わず、自社の商品をより多くのユーザーに広めるために必須の業務と言っても過言ではありません。
こうした近年の傾向から「ECサイトの運営担当に抜擢されたけど、何から手をつければいいのかわからない」、「今まで実店舗でしか販売してなかったけどそろそろEC事業にも手を拡げたい…」といった悩みを持つ方が増えてきました。
今回は、EC業務を行う上で必要な知識やスキル、運営にかかる費用を基本からわかりやすく解説していきます。
いざ始めた後に慌てることのないように、事前に必要な知識をしっかりと理解しておきましょう。
ECサイトとは
まず初めに、EC業務を学ぶための基本となるECについての解説をしていきます。
ECとは「Electronic Commerce(通称:イーコマース)」の略称となっており、日本語に訳すと「電子商取引」という意味になります。
電子商取引とは、インターネット上での商品の売買やサービスの提供を指す単語です。
つまり、私たちが普段利用している「Amazon」や「楽天市場」などのネットショッピングサイトであったり、チケットの販売やホテル・美容院の予約などもECサイトの一部ということになります。
EC市場の規模
2021年現在、コロナにおけるパンデミックの影響により「外出自粛」や「店舗の営業時間短縮要請」が東京都を中心に発令されています。
そのため、ECサイトの利用率が大幅に上がり、これまでネットショッピングを利用していなかった層にも「インターネットで買い物をする」という選択肢が広がりました。
それに伴い、ECサイトの市場規模は年々拡大しています。
日本国内における物販系の※1 BtoC-ECの市場規模は、令和1年:10兆515億円、令和2年:約12兆2,333億円となっており、伸長率21.71%といった凄まじい伸び率となっています。
内訳としては「生活家電・PC・周辺機器(2兆3,489億円)」、「衣類・服装雑貨など(2兆2,203億円)」、「食品、飲料、酒類(2兆2,086億円)」、「生活雑貨・家電・インテリア(2兆1,322億円)」が多くの割合を占めています。
(参照元:電子商取引実態調査(METI/経済産業省))
この結果は、コロナにおける在宅ワークや外出自粛による、自宅環境の改善といった原因が大きく影響していると考えられます。
※1 BtoC:企業(Business)が一般消費者(Consumer)を対象として行うビジネス形態
ECサイト運営の業務と流れ
ECサイトを運営するに当たって、まず知っておきたいのが「フロント業務」と「バックエンド業務(フルフィルメント業務)」です。
EC業務は大きく分けてこの二種類の業務があり、それぞれ担当する役割が違います。
フロント業務とは?
フロント業務とは「商品の売上に直接影響のある業務」のことを指し、企業の商品やサービスをより多くのユーザーに宣伝するといった役割があります。
マーケティング業務
マーケティング業務とは、「自社の商品やサービスを多くのユーザーに認知してもらう」ことを目的とした業務です。
マーケティングはECサイトによる売上増加には欠かせない業務であり、より多くのユーザーに自社の商品を手に取ってもらうためには、最適なマーケティング戦略を行なっていくことが重要となります。
マーケティングでは短期的な計画ではなく、中・長期的な計画を考えます。
市場においての自社の立ち位置、ユーザーのニーズや競合他社の動向など、様々な情報を総合的に分析して、「ユーザーへどのようなアピールをすれば、売上につなげることができるのか」を考えることが大切です。
集客・プロモーション
集客・プロモーションとは、広告やSNSなどを利用してユーザーとコミュニケーションを図ることにより、自社の商品やサービスに対する関心を集めて、集客へつなげる取り組みのことです。
EC業務において、集客・プロモーションは直接ユーザーにアプローチできる数少ない業務となるため、とても重要な役割となっています。
プロモーションをする上で大切なのは、提供する商品やサービス、自社のコンセプトを考えることです。
「その商品の魅力は何か」「サービスを利用してどのような利益があるか」など、ユーザーにアピールしたい情報を整理することで、実際にプロモーションを考える際スムーズに進行することができます。
マーチャンダイジング業務
マーチャンダイジングとは「商品化計画」や「商品政策」といった意味があります。
これは「ユーザーが求めている商品を適切に販売する戦略」のことを指し、品揃え、販売価格の設定、販売する方法などを決定する業務となっています。
マーケティングと似た業務内容となっていますが、マーチャンダイジングは主に小売業や流通業で利用されます。
商品企画
ECに限らず、売上を上げるためには「売れる商品を考える」ことが重要です。
その時代のトレンドや商品を販売する季節、経済の流れや情勢をすべて考慮した上で新商品の考案や仕入れる商品を決定します。
ただ単に世間で売れている商品を仕入れるだけでは、競合他社の商品に埋もれてしまう可能性があります。
そうならないためには、その商品が売れている理由を分析し、自社の魅力や強みなどを+αして商品を売り出すといった工夫が必要になります。
商品企画では、ユーザーの動向を常に伺い、求めている商品を売り出すことが一番大切な目標です。
仕入れ・製造
仕入れ・製造の作業では、先程の商品企画で決定した商品を必要な数量発注します。
現在では、「オンラインの仕入れサイト」なども存在しており、インターネットで簡単に商品を仕入れることができます。
オンラインでの仕入れは、決済などについてのやりとりを直接行わなくてもいいため、「業務の簡略化」「卸先とのトラブル防止」など、様々なメリットが存在します。
また、仕入れる商品によっては直接メーカーに連絡して仕入れることもあります。
直接やりとりする場合は、交渉によって通常より安価な金額で取引できる可能性があるというのがメリットです。
どちらの仕入れ方法にもメリットが存在しているため、仕入れの方法については販売する商品によって決めると良いでしょう。
ECサイト制作
自社のブランドイメージや目標としているショップなどを参考に、ECサイトを制作・デザインしていきます。
デザインがおしゃれでも自社のイメージと一致していなければ、ユーザーに違和感を与えてしまいます。
まずは、自社のブランドの特徴や色、すでにイメージがある場合はそのイメージをデザインに落とし込み、サイトを設計していく必要があります。
また、デザインだけでなく※1 ユーザビリティに配慮したサイト設計も重要です。
デザインが良くてもユーザーにとって使いやすいサイトでなければ満足度は低いものとなってしまいます。
ユーザーがサイトに訪問してから商品を購入するまでの導線を意識することも、ECサイト制作では重要な項目の一つと言えるでしょう。
※1 ユーザビリティ:使いやすさ、使い勝手という意味。
ECサイト更新
一度ECサイトを制作しただけで安心してはいけません。
ユーザビリティを向上させるためには、ECサイトを常に更新してブラッシュアップしていくことも大切です。
ECサイトの規模が大きくなるにつれてシステム面の機能が足りなくなってくることもあります。
例として、2021年現在、Googleではモバイルファーストインデックスという評価基準を採用しており、モバイル対応しているサイトの評価を上げるといった動きがあります。
もし、この情報を知らずにサイトをモバイル対応していなかった場合、知らぬ間に検索順位が落ちて自社のサイトへのアクセスが激減してしまうといった事態になりかねません。
このように、常にユーザーの声と世間の動向をチェックして最適なサイトへ更新していくことも、収益を上げ続けるために大事な要素の一つであるといえます。
バックエンド(フルフィルメント業務)
バックエンド業務は、商品の発送や購入したユーザーの対応など、「商品が売れた後の事務的な作業」が主な業務となっています。
商品登録
ECサイトへの商品登録・編集を行う業務となります。
常に商品を仕入れて販売しているサイトの場合、仕入れたらその商品の情報を登録するという作業が自動的に発生します。
この業務は扱う商品数が多かったり、複数のECサイトを利用している場合は特に負担の大きい作業です。
商品登録の作業が負担に感じる場合、アウトソーシングして作業の負担を減らすという選択肢も視野に入れるといいでしょう。
ささげ業務
「撮影・採寸・原稿」の3つの頭文字をとって「ささげ」と言います。
「商品の撮影」「サイズの計測」「紹介文の作成」の3つの業務を総称した呼び方であり、ECサイトを運営する上で重要な業務です。
これら3つの要素は、ユーザーが商品を購入する際の判断材料となり、どれか一つでも欠けているとユーザーが購入するか否かを判断することができません。
ECでは、実際に商品を手に取ることができません。
そのため、商品の見た目、サイズ感、商品の魅力をユーザーに伝えることがとても重要となります。
素晴らしい商品を提供しているにも関わらず、ささげを疎かにしているため売上が伸びないのは大きな機会損失であるため、手を抜かずしっかりと商品を紹介しましょう。
受注処理
ユーザーが商品を購入したら「受注処理」の作業に移ります。
受注処理は、注文状況の確認メールの送信や在庫の引き当て作業、出荷の指示などを主な業務としており、注文から発送までをスムーズに行うためのとても大切な作業です。
基本的に難しい作業などはありませんが、受注処理でミスをしてしまうと、「間違った商品を届けてしまう」「発送が大幅に遅れてしまう」など、大きなクレームの元となってしまう可能性があるため、正確な作業が求められる業務と言えます。
注文が増加してくると、それに伴ってミスも増えてくるため、良きタイミングでアウトソーシングを視野にいれてもいいかもしれません。
入金確認
受注した分の入金がしっかりとされているかをチェックする業務です。
振込名義や入金日、請求金額と振込金額の一致の確認などが具体的な業務となっています。
在庫管理
在庫管理の業務では、受注処理と連携しながら実際の在庫数とデータ上の在庫数を合わせる作業を行います。
データ上で在庫があるにも関わらず、実際には在庫がないという状況になってしまうとユーザーとのトラブルに発展してしまいます。
反対に、まだ在庫があるのにデータ上では在庫がないという状況になると、商品を売り逃してしまいます。
これらの状況を回避するためにも在庫の管理は徹底して行わなければなりません。
出荷・梱包
受注処理からの出荷指示により、該当の商品を梱包して出荷の準備を行います。
多くの商品の中から間違いなく商品を引き出して、ユーザーに発送できるように丁寧に梱包することが大切なポイントとなります。
ピッキングで誤った商品を引き出してしまったり、梱包が雑で不適切な方法であったりなど、ミスやトラブルの元となる作業でもあります。
色やサイズが複数ある商品などはピッキングの段階で間違えやすいため、注意して作業を行うことが大切です。
発送・配送
ここまでの作業が全て終わったら、最後に発送・配送の業務に移ります。
この業務はやること自体は少なく配送業者に商品を引き渡すだけの作業となります。
この業務で大切なのが「どの配送業者を利用するか」です。
配送料や営業している時間など様々な要素を考慮して適切な配送業者を選びましょう。
また、自社の扱っている商品のサイズを取り扱っていない業者もあるため、しっかりと把握しておきましょう。
また、「配送料」に関してはECサイト運営において大きなコストであると言えます。
配送料をユーザー負担にすることも可能ですが、Amazonや楽天市場など大手のECサイトでは基本無料となっているため難しいと言えるでしょう。
こういった大手のECサイトで扱っていない商品を提供している場合は別ですが、そうでない場合はなるべく安い配送業者と契約して、少しでもコストを抑えましょう。
アフターサービス
商品を発送した後のアフターサービスも、バックエンド業務の一つとなっています。
ECサイトでは実際に商品を手に取って確認ができないため、クレームや問い合わせが多くきます。
「誤った商品を送ってしまった」「商品が壊れていて使えない」など、自社に非があるクレームもあれば、「想像していた商品と違った」「利用する機会がなくなったため返品したい」などといった問い合わせがくることもあります。
こういったクレームや問い合わせに真摯に対応することも、自社の評価を上げるためには重要な要素です。
売上管理
売上管理とは「いつ、どの商品が、何個売れたのか」を管理する業務です。
売上の把握はECに限らず、すべての事業においてとても重要な作業のひとつであるといえます。
「プッシュしている商品が売れているか」「売上の悪い商品はしっかりとカットできているか」といった情報をしっかりと把握することで、取扱商品の検討や次回の商品開発の判断材料とすることができ、今後の売上につなげることができます。
マーケティングの観点からも、有効なマーケティング戦略が実施できているか見極める上で重要な情報となるため、しっかりと管理して各商品ごとの売上を把握しておきましょう。
業務の大まかな流れ
ECサイトを運営するにあたっての一連の流れは以下の通りです。
商品企画→仕入れ・製造→サイト制作・更新→集客・プロモーション→受注処理→入金確認→在庫管理→出荷・梱包→発送・配送→アフターサービス
作業する流れを理解しておくと、実際にECサイトを運営する際にとまどうことなうく作業することができるためしっかりと把握しておきましょう。
ECサイト運営に必要なスキル
実際にECサイトを運営するにあたってどういったスキルが必要になるのかをご紹介していきます。
現時点で取得できていないスキルも、日々勉強をすることで身につけることができるスキルもあるため、一つ一つ勉強していきましょう。
企画力
どのような商品を開発・制作するかは自社の売上や、ユーザーに与えるイメージに直接影響を及ぼします。
自社の強みや魅力を理解しつつユーザーのニーズに合った商品を開発することは、ECで売上を伸ばすためには必須のスキルです。
企画力を鍛えるためには、「ジャンルを問わず多種多様な業種の成功例を真似する」ことが大切です。
独自の発想や奇抜なアイディアを生み出せるのはごく一部の人たちだけです。
まずは「既存の成功例を自社の強みと掛け合わせて考えてみる」ことが企画力を鍛えるためのコツになります。
サイト制作や更新に関するスキル
ECサイトを運営するためには、サイトを制作する必要があります。
更には自社の売上状況やユーザビリティの向上を目的として、サイトを更新しなければならない場合もあります。
サイトを制作するためには「HTML」や「CSS」といった「コーディング」のスキルが必要となってきます。
HTMLやCSSは、簡単なものであれば初心者の方でも勉強をすることでコーディングすることができますが、導入したいシステムやデザインの表現によっては専門的な知識が必要になってくるため、「アウトソーシングなどを使って専門家に外注する」ことをオススメします。
ささげ業務に関するスキル
ECサイトを運営するにあたって「ささげ」のスキルはとても重要なスキルの一つです。
ユーザーがネットショッピングで商品を選ぶ時、一番最初に目に付くのが「商品のサムネイル画像」です。
サムネイルの画像の写りが悪いと商品ページに飛んでもらうことができず、その結果売上に繋げるができなくなります。
商品がより魅力的に映る「角度」や「明るさ」の調整をしながら、商品を撮影しましょう。
採寸を行う際は、サイズ表記と合わせて長さや重さなど詳しく記載することをオススメします。
数値化することでユーザーによりリアルに商品のサイズや重さを伝えることができます。
商品説明の原稿を考える際は、商品の手触り感や素材など、「商品の画像からは感じ取れないこと」を説明することが大事です。
また、説明は曖昧な表現ではなく、ユーザーに伝わりやすいように工夫しましょう。
例えばマフラーの肌触りを説明する場合、「つけ心地が良い」だけではなく、「サラサラしていて肌触りがいい」や「ふわふわしていて暖かい」などと説明した方がユーザーに伝わりやすくなります。
Webマーケティングスキル
WebマーケティングのスキルはECサイト運営において最も重要なスキルの一つです。
ネットショッピングはその場に行かずに商品を購入することができますが、出店している店舗の数が膨大で競争がかなり激しいと言えます。
たくさんあるECサイトの中で「いかに自社サイトにアクセスしてもらえるか」が大きな課題となってきます。
Webマーケティングには大きく分けて以下の二種類があります。
広告運用
広告運用とは、各媒体へ広告を掲載して費用対効果を計算し、広告を改善しながら「※1 KPI」の向上を目的としたものです。
現在は特に「Web広告」の市場が拡大しており、広告の種類や宣伝方法が増加してきています。
広告運用の担当になった場合、適切な媒体の選定や広告費用の調整、広告の出稿スケジュールの管理といった業務を行うこととなります。
※1 KPI:目標達成のために実行すべきプロセスが適切に実施されているかを数値化して評価したもの
SEO対策
SEO対策はGoogleなどの検索エンジンにおいて、自社のECサイトを上位表示させるために行われる施策の一つです。
検索エンジンにおいて上位を獲得することはWebマーケティングにおいてとても重要であり、SISTRIX社が公表した2020年のクリック率のデータを参照すると、一位:28.5%、二位:15.7%、三位:11.0%となっており、十位まで落ちると2.5%となっています。
(※参照元:Why (almost) everything you knew about Google CTR is no longer valid – SISTRIX)
ECにおいてクリック率の増加は集客においてとても重要な要素となるため、SEO対策を行うことは売上増加における必須のスキルであると言えるでしょう。
MD(マーチャンダイジング)
マーチャンダイジングは、品揃えや適切な価格、販売方法など「商品を販売する際の具体的な設定や方法」を決定して実践していきます。
ECの場合店頭での販売ではないため、商品の販売方法については実践することはできません。
そのためECでは、品揃えや価格設定などを決定する際にマーチャンダイジングのスキルが必要になってきます。
マーチャンダイジングを実践する場合のコツは、まず初めに「ターゲット(どんな人に向けて商品を売るのか)」を考えていくことです。
次にこのターゲットに向けて商品を売るための「品揃え」「価格設定」「販売時期」などを決定します。
こうすることで、自然とユーザーの求めている商品選びをすることができます。
顧客対応力
近年のEC市場は年々競争率が激しくなってきています。
商品の質や価格設定はとても大切ですが、競合他社と差をつけるためには「接客の質」も大切な要素の一つと言えるでしょう。
ネットショッピングにおいての接客とは、問い合わせやクレーム対応などです。
この二つは主に「困っていたり、不満を持っているユーザーの対応をする業務」となるため非常に高い顧客対応力が求められます。
クレームや問い合わせの内容は千差万別なため、様々なシチュエーションを想定した対応マニュアルを作成すると良いでしょう。
とはいえ、クレーム対応についてはマニュアル通りに進まないことも多くあります。
しっかりとユーザーに寄り添った接客をすることが、クレーム拡大を防ぐために必要なスキルであると言えます。
データ分析・改善に関わるスキル
ECサイトにおいて、売上を伸ばすための「改善点やポイントを発見するために必要なスキル」がデータ解析のスキルです。
データ解析をするためには、「アクセス解析ツール」というツールを使用するのが一般的な方法とされています。
アクセス解析ツールでは「※1 セッション数」や「クリック率」といったデータを確認することができます。
ECサイトでは、売上を以下のような計算式で表すことができます。
「売上=セッション数×※2 CVR×客単価」
売上が伸び悩んでいる原因が、この計算式のどの数値によるものなのかを知ることで改善策を練りやすくなりますので、ぜひ活用してみてください。
※1 セッション数:特定の期間においてのサイト訪問数
※2 CVR:Conversion Rateの略。Webサイトへのアクセスのうち、どのくらいの割合で購入や申し込みをしたかを表す数値。CVR=CV数×セッション数×100
ECサイト運営にかかる費用
ECサイトを運営するためには、様々な費用がかかります。
各分野ごとにどれくらいの費用がかかるのかをしっかりと把握しておくことで、安心してECサイトの運営に乗り出すことができるため参考にしてください。
サイト制作費用
まず初めに、サイトを制作するための費用について解説していきます。
前提としてECサイトを運営するためには以下の5つの方法があります。
①モール型
モール型とは「複数のショップが集まって、ひとつの大きなショッピングサイトを形成しているECサイト」のことを指します。
Amazonや楽天市場などが代表的なECサイトです。
サイトを構築する必要がなく、すぐに出品できるためすぐに始められます。
そのため、費用をかなり安く抑えることができ、すぐにEC事業に乗り出すことが可能です。
モール型では契約するプランやシステム手数料によってかかる費用が変わるため、登録商品数や月の売上によっては費用が増えてしまう可能性がありますので注意が必要です。
費用の目安:0円〜20万円程度
②ASP型
ASP型とは「クラウドサービスを利用して、ECサイトを構築する方法」です。
クラウドサービスを契約することで、サイト構築に必要な機能を安く利用することが可能あり、専門知識も必要としないので初心者にもオススメです。
費用の目安:0円〜数十万円程度
③オープンソース型
オープンソース型とは「無料で公開されている構築システムを利用してECサイトを構築する方法」です。
ASP型とは違い、※1 ソースコードを変更することが可能なため、デザインの変更やシステムの追加や削除を行うことができます。
しかし、カスタマイズをするにあたって専門的な知識が必要になるため、人員の確保などの費用が発生します。
費用の目安:0円〜500万程度
※1 ソースコード:プログラムに指示を与えるためのテキストファイル。
④パッケージ型
パッケージ型とは「パッケージ化されているECサイトの構築システムを購入する方法」です。
カスタマイズ性が非常に高く、大規模なECサイトの構築にも対応しています。
ASP型はサービスやプランによりカスタマイズや自由度が変わりますが、パッケージ型であれば自由なカスタマイズを行うことが可能です。
費用の目安:100万〜500万程度
⑤フルスクラッチ型
フルスクラッチ型とは「既存のサービスを利用せず、一から完全にサイトを構築する方法」です。
すべて独自で開発するため、機能の追加や他システムの連携に制約が一切なく、もっとも自由にカスタマイズすることができます。
しかし、費用と手間がかなりかかってしまうため「ECサイトの運営をメインに事業を発展させていく企業」以外はオススメできません。
費用の目安:500万〜
制作方法 | 制作費用(目安) |
①モール型 | 0円〜20万円程度 |
②ASP型 | 0円〜数十万円程度 |
③オープンソース型 | 0円〜500万程度 |
④パッケージ型 | 100万〜500万程度 |
⑤フルスクラッチ型 | 500万〜 |
発送にかかる費用
ECサイトを運営するに当たって発送費用は避けて通れない費用の一つです。
月にどのくらい発送するのかを目安に費用を計算しましょう。
集客・プロモーションにかかる費用
ECにおいて、集客・プロモーションを行う方法はいくつか存在していますが、それぞれかかる費用は違ってきます。
自社の予算や販売する商品によって、どの方法を利用するか検討しましょう。
①リスティング広告(検索連動広告)
リスティング広告とは「GoogleやYahooなどにおいて、検索したキーワードに関連した広告を表示させる方法」です。
ユーザーが検索したキーワードに関連した広告が表示されるため「購入意欲が高いユーザーにアプローチできる」のが大きな魅力です。
広告掲載にかかる費用の目安として、中小企業の場合だとまずは月10万〜30万を予算として運用するケースが多いようです。
売上が高くなってくるに従って、広告に当てる費用を増やしていくといいでしょう。
②動画広告
動画広告とは「YouTubeやSNS内にて、動画を利用して広告を流す方法」です。
商品について動画で説明することができるため、イメージを直接的に伝えられることがメリットの一つです。
しかし、動画広告にはスキップの機能があるため、スキップされるまでの間でどれだけ興味を持たせることができるかがとても大切になってきます。
動画広告の料金体制は「再生数」や「表示回数」などによって決まるため、かかる費用は固定ではありません。
媒体によっても違うため、しっかり違いを把握してから出稿することをオススメします。
③SNS広告
SNS広告とは「SNS上に表示させることができる広告のこと」です。
SNSの媒体によって利用しているユーザーの属性が違うため、商品やサービスに適した媒体を選ぶことが大切です。
費用については媒体や課金制度によって変わりますが、おおよそ30万前後を目安にするといいでしょう。
④アフィリエイト広告(成果報酬型広告)
アフィリエイト広告とは「ユーザーが広告をクリックして、そこから購入や契約を行った場合報酬を支払う方法」です。
アフィリエイト広告の場合、成約数によって費用が上下するため金銭面でのリスクを抑えることができます。
ただし、固定費として月額で約3〜5万ほど費用がかかります。
集客・プロモーションの方法 | かかる費用(目安) |
①リスティング広告(検索連動広告) | 月10万〜30万 |
②動画広告 | 「再生数」や「表示回数」などによって変動 |
③SNS広告 | おおよそ30万前後 |
④アフィリエイト広告(成果報酬型広告) | 月額で約3〜5万ほど |
まとめ:ECサイト運営はアウトソーシングをうまく活用すべし!
ECサイトの業務は多岐に渡っており、業務内容によっては専門的な知識やスキルが必要になる場合があります。
自ら勉強してすべてに対応するのは非常に非効率であり、将来的に必ず手が回らなくなっていくでしょう。
注力するべき業務に専念するためにも、任せられるところはアウトソーシングを利用して、業務の効率化を図りましょう。
また、初めてECサイトを運営するなら「運営代行サービス」を利用することがオススメです。
運営代行サービスでは、サイト運営に関わる作業を委託できるため自社のコア業務に専念することができます。
業務の一部を部分的に委託することもできるため、自社の運営状況や予算に合わせて契約することもできます。
こういったサービスを上手く活用して、ECサイトをどんどん成長させていきましょう。
ECサイト運営代行サービスなら、まかせてEC
まかせてECでは、ECサイト運営に関わる様々な業務をお任せいただけます。
すべてお任せしたいという方も、一部だけお任せしたいという方も、まずは一度ご相談ください。