Amazonに出店している皆さん、セラーセントラルを使いこなせていますか?
今回の記事ではAmazonセラーセントラルの各機能の概要と、意外と活用している企業が少ない(と筆者が感じる)機能について説明します。
セラーセントラル各項目の概要
セラーセントラルにログインすると、以下のようなトップページが表示されます。
左上の「三」のマークをクリックすると、メニューバーが開きます。
ここからは各項目の概要を説明していきます。
カタログ
商品登録
出品する商品の情報を登録するページです。
既にAmazon上にカタログ(商品ページが存在する)商品を販売する場合は、商品名や型番、JANコード等を検索して、そのカタログに相乗りする形で出品します。
カタログがない場合は、「Amazonで販売されていない商品を追加します」をクリックして新しいカタログを登録します。
※Amazonの出品方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
不備のある出品を完成
出品した商品の登録情報に不備(情報不足やガイドライン違反など)がある場合、このページに不備商品の一覧が表示されます。
出品申請を表示
商品によっては、出品時にAmazonに許可申請が必要なものもあります。
(該当の商品カテゴリを選択しようとすると許可申請を求められます)
その申請のステータスが一覧で確認できます。
在庫
在庫管理
Amazonに出品した商品の一覧が表示されます。
右端の「詳細の編集」をクリックすると商品ごとの登録情報を編集可能です。(画像①)
その横の「↓」ボタンを押すとその他(商品削除等)の操作メニューが選択可能です。(画像②)
複数の商品を一括で同一処理する場合は左端のボックスにチェックを入れて 「選択中の*商品を一括変更」のボタンを押すと一括処理も可能です。(画像③)
FBA在庫管理
先ほどの「在庫管理」の一覧をFBA(Amazon倉庫出荷)の商品に絞った一覧です。
登録商品情報の改善
不備のある出品を完成と同様に、出品商品の登録情報に不十分な要素がある場合に表示されます。
出品者出荷の商品の管理
出品者出荷の商品について、上画像の項目情報が一覧で確認できます。
(あまり利用する機会は少ない機能かもしれません)
在庫健全化ツール
直近30日間で在庫切れによる販売機会の損失があった商品、現在在庫切れの商品、余剰在庫、在庫回転率などを一目で確認できます。
商品登録
カタログの項目にある商品登録と同じものです。
アップロードによる一括商品登録
多数の商品を一括登録する場合はこちらのページから行います。
カテゴリごとの一括登録ファイルをダウンロードし、そちらに必要情報を記入してアップロードします。
出品レポート
出品中の商品情報の一覧をレポート出力するためのページです。
グローバルセリング
海外のAmazonマーケットプレイスで販売する場合のアカウント紐付けや各国の売上状況のサマリーが確認できるページです。
FBA納品手続き
Amazon倉庫に在庫を納品する際の手続きや、過去に納品した商品の受領ステータスを確認できるページです。
画像のアップロード
各商品ページに掲載する画像を一括でアップロード/確認するためのページです。
各商品の詳細編集画面でも画像アップロードは可能ですが、多数の商品の画像を一括編集する際にはこちらが便利です。
ビデオのアップロードと管理
Amazonブランド登録しているセラーは、該当ブランドの商品ページに動画が掲載可能になります。
その場合の動画アップロードページです。
アップロードした動画とASINを紐付けます。
※1ASINとは、Amazonグループが取り扱う10桁の商品識別番号のこと
商品ドキュメントの管理
安全データシートや商品のCADデータなどを商品ページに掲載する場合のアップロードページです。
(あまり使われているのを見かけない機能です)
商品紹介コンテンツの管理
商品説明は通常テキスト形式で掲載されますが、紹介コンテンツ(A+)を使用すると画像+テキストで内容をリッチにすることが可能です。
その紹介コンテンツのアップロードページです。
価格
価格設定の健全性
過去の販売実績から、「価格の誤設定の可能性がある」「競争力がない価格である」とシステムが判断した商品をこちらのページで確認できます。
価格管理
在庫管理などと同様に出品商品の一覧が表示され、価格の変更が行なえます。
(在庫管理画面から直接編集する方が早いので、あまり利用する機会の少ない機能です)
価格の自動設定
価格を自動変更するルールを設定するページです。
主に相乗り出品するセラーが最低価格をキープするために使用します。
販売手数料の割引
Amazonが「この金額まで価格を下げれば販売手数料を割引きますよ」というオファーをしてくれることが時々あります。
そのオファー内容を確認する画面です。
こちらも主に相乗り出品のセラーが使用します。
注文
注文管理
注文一覧を確認する画面です。
自社出荷で販売している場合は、こちらのページから、各注文の出荷通知なども行います。
マルチチャネルサービス注文の作成
Amazon以外のチャネルで商品が売れた際に、Amazon倉庫の在庫を発送する場合に使用します。
注文レポート
注文情報を一括でダウンロードするためのページです。
商品の出荷を外部倉庫に委託している場合などに使用します。
※自社出荷の場合、注文レポートには個人情報が含まれます。データの取扱いには十分な注意が必要です。
注文関連ファイルをアップロード
出荷通知や注文キャンセル等を一括で行うためのページです。
テンプレートをダウンロードし、必要情報を記入したものをアップロードします。
返品管理
購入者から返品リクエストがあった場合に、その対応・進捗管理をするためのページです。
広告
広告キャンペーンマネージャー
Amazon広告の設定やパフォーマンス管理を行うためのページです。
Amazon Vine
消費者に商品を無償提供することでカスタマーレビューを書いてもらう「Amazon Vine」というプログラムに商品登録するページです。
主に発売したての商品のカスタマーレビューを増やすために利用されます。
※Amazon Vineの利用にはAmazonブランド登録が必要です。
タイムセール
タイムセールを行いたい場合の申請をするページです。
タイムセールはAmazonが特定の基準を満たしたと判断した商品のみが対象となります。
クーポン
検索結果や商品ページに緑色のラベルで表示される割引クーポンを設定するためのページです。
Amazonプライム会員限定割引
Amazonプライムのユーザー限定で何か割引特典をつけたい時に使用します。
プロモーション
複数点購入での割引や、セット購入での割引など、特定の条件を満たした購入者向けの割引を設定したい場合に使用する機能です。
ポイント
購入者にAmazonポイントを付与したい場合に使用するページです。
在庫管理画面から各商品個別で設定することもできますが、ポイントセントラルを使用すると全商品に一括でポイント付与を行うことができます。
ストア
Amazonストア
Amazonブランド登録しているセラーは、そのブランドのストアページを制作することができます。
作成したブランドストアはAmazon広告などに利用できるほか、ブランド内でのクロスセルを促す手段として活用できます。
販売機会拡大
販売中の商品の販売機会増大が見込めるような追加設定やプログラムについて、また、新規で出品したほうが良い商品について、Amazonから提案がある場合にその内容が表示されます。
レポート
ペイメント
過去の決済情報の一覧など、主に経理関係で使用する情報のレポート出力をするページです。
Amazon出品コーチ
Amazonから登録商品について何か推奨事項がある場合にその内容が表示されます。
ビジネスレポート
商品ごとの売上実績や日次(週次、月次)推移など、主に販売パフォーマンスの評価に必要な情報のレポート出力をするページです。
フルフィルメント
在庫関連の情報のレポート出力をするページです。
広告レポート
Amazon広告関連の情報をレポート出力できるページです。
タックス関連文書ライブラリ
過去の手数料明細書をPDF形式でダウンロードするページです。
パフォーマンス
アカウント健全性
出荷遅延率、注文キャンセル率など、Amazonがアカウントの健全性の指標として定めている項目についてのパフォーマンスが一覧で確認できるページです。
※アカウント健全性の低い状態があまり長期間続くとAmazonから改善計画書の提出を求められたり、アカウントの一部機能を制限されたり、最悪の場合はアカウント停止処分を受けることがあります。健全なアカウント運営を心がけましょう。
評価
購入者からショップへの評価内容が一覧で確認できるページです。
購入者からの評価を確認して、ショップとしてのパフォーマンス向上の参考とします。
Amazonマーケットプレイス保証
購入者からマーケットプレイス保証申請があった場合に対応するページです。
※マーケットプレイス保証とは、商品に不備があった際のやり取りで、購入者が出品者との直接的なやり取りでは事態解決に至らないと判断した場合に申請されるものです。
チャージバック
注文に対してクレジットカード会社からAmazonにチャージバックの依頼があった際に対応するページです。
チャージバックは、クレジットカード名義人がクレジットカード会社に対して、Amazonの注文代金の支払いに関して異議を唱えた場合に発生します。
(理由は様々ですが商品未受領やクレジットカードの不正使用などが一例です)
パフォーマンス通知
出品していた商品の削除などパフォーマンスに大きな影響を与える事象が発生した場合のAmazonからの通知内容が表示されます。
※登録メールアドレス宛に届く文面と同じものをセラーセントラル上でも確認することができます。
購入者からの評価
販売した商品に対して購入者からのフィードバック内容が表示されます。
(カスタマーレビューとして記載されていないフィードバックを含めて確認することができます)
Amazon出品大学
セラーセントラルの基本的な操作方法や、販売にあたって必要な設定事項などについて学ぶことのできるページです。
本記事で紹介した内容の詳しい操作手順はこの出品大学をご覧いただくと分かりやすいかと思います。
※詳しくは以下のAmazon公式サイトをご確認ください。
パートナーネットワーク
Amazon規定の審査に申し込んで承認されたサードパーティのアプリやサービスが紹介されているページです。
BtoB
Amazonビジネス出品プログラムという、法人/個人事業主向けの割引販売プログラムに参加しているアカウントにのみ表示される項目です。
※詳しくは以下のAmazon公式サイトをご確認ください。
BtoBセントラル
BtoB関連の販売パフォーマンスの確認や割引額の設定/修正などが行えるページです。
出品推奨商品
BtoBでの販売が推奨される商品の一覧を確認できるページです。
数量割引リクエスト管理
BtoBのユーザーから数量割引リクエスト(**個まとめて買うから○○%引きしてくれませんか)があった時に、その内容の確認と対応をするページです。
販売促進のために是非活用していただきたい機能
以下では、販促のために筆者が是非活用を推奨する機能について説明します。
購入者からの評価
購入者からの評価のページに記載されている内容には、商品レビューとして記載されている以外の内容を含んでいるケースも多くあります。
特に悪い評価の内容は、購入者が具体的にどこに不満を持ったのか、どこを改良するとより満足度が高まるのかを把握する重要な情報ですので、是非定期的にチェックする習慣をもつことをお勧めします。
BtoB
ビジネス出品プログラムには是非参加しておくことをお勧めします。
商品にもよりますが、ほんの数%の数量割引をつけておくだけでも、法人経由で100個、200個といったまとめ買い注文が入ることもあり、売上げアップに大きく貢献することがあります。
Amazonブランド登録
これはセラーセントラルの機能ではありませんが、本記事内でも何度か触れてきたAmazonブランド登録は是非実施をお勧めします。
※詳しくは以下のAmazon公式サイトをご確認ください。
ここ数年でブランド登録しているセラー限定の機能は急激に増えており
- ブランドストアの開設
- ブランドストーリーの追加(ブランド所有者のみが登録できる商品紹介コンテンツ)
- 商品ページへの動画コンテンツ追加
- ブランド広告の利用
など、単なる知的財産権保護に留まらず、ブランド登録することにより販促面でも非常に大きなアドバンテージを得ることができるようになっています。
※ブランド登録のためには商標登録が必要となります。取得は通常だと半年〜1年近く時間がかかりますが、早期審査などを活用すれば数ヶ月で取得することもできます。
(Amazonブランド登録については、以下の記事で詳しく解説しています)
中長期で腰を据えてAmazon販売に取り組むようであれば、是非登録をお勧めします。
まとめ
ただ出品するだけではなく、様々な機能を活用して、Amazonを有効活用しましょう。