【改善案も紹介!】リスティング広告の分析・改善に役立つ用語と指標

【改善案も紹介!】リスティング広告の分析・改善に役立つ用語と指標

リスティング広告の分析において、CPC・CTR・CVR・CPAは重要な指標です。
しかし、リスティング広告に不慣れな方であれば、これらの用語や指標の意味や使い方が分からないかもしれません。

そこで、本記事では初心者の方でもリスティング広告の運用を改善できるように、これらの指標や改善案などを紹介します。

3つの用語

初心者の方はまず、リスティング広告で使われている用語につまずいてしまうかもしれません。
そこで、リスティング広告を効果測定・分析する上で重要な3つの用語を紹介します。

インプレッション数とは

インプレッション数とは、検索結果などに広告が表示された回数のことです。

インプレッション数=広告が表示された回数

インプレッション数が多いほど、ユーザーの目に入る機会が多かったということになります。
広告を機能させるためには、まずインプレッション数を増やすことが大切です。

クリック数とは

クリック数とは、ユーザーが広告をクリックした回数を指します。

クリック数=広告がクリックされた回数

つまりクリック数は、ユーザーが広告を経由してページにアクセスした数を意味します。
すべてのアクセス数のうち広告経由はどれくらいの割合なのか、という数値は必ず確認しましょう。

コンバージョン数とは

コンバージョン数とは、広告主の目標としているアクションが行われた回数です。

コンバージョン数=広告主が目標としているアクション(成果)が行われた回数

広告主には、「購入」「資料請求」「お問い合わせ」といったユーザーにとってもらいたいアクション(成果)があります。ECサイトではほとんどの場合「購入」が該当するでしょう。
コンバージョン数はこれらのアクションの回数です。

3つの用語 - インプレッション数、クリック数、コンバージョン数
3つの用語 – インプレッション数、クリック数、コンバージョン数

4つの指標

リスティング広告では、先に紹介した3つの数字などを利用した重要な指標が4つあります。
効果測定・分析する上で重要ですので、これらについても紹介します。

クリック単価(CPC)とは

クリック単価(CPC)とは、クリック1回あたりの平均費用のことです。
式に表すと以下となります。

クリック単価(CPC)=かかった費用÷クリック数

リスティング広告の特徴は、1回のクリックごとに費用が発生することです。
そしてクリックされるタイミングによって、1クリックの費用はまちまちです。
ですのでクリック単価は「平均」費用として算出されているのです。

クリック率(CTR)とは

クリック率(CTR)とは、広告が表示された回数に対してクリックされた割合のことです。
式にすると以下となります。

クリック率(CTR)=クリック数÷インプレッション数×100(%)

クリック率は、どれだけユーザーにとって魅力的な広告を配信できているかの指標になります。
クリック率が高ければターゲットにうまく訴求できている広告であると言えますし、逆にクリック率が低ければターゲットがクリックする気にならない「訴求力の低い広告」であると判断できます。

コンバージョン率(CVR)とは

コンバージョン率(CVR)とは、広告経由でページに流入したユーザーがコンバージョンした(目標とするアクションをした)割合のことです。式にすると以下となります。

コンバージョン率(CVR)=コンバージョン数÷クリック数×100(%)

リスティング広告を効果的に運用するためには、コンバージョン率を高める工夫が必要です。
コンバージョン率が低いということは、ページにアクセスしてもアクションには至っていないことを意味します。
このような場合は「ランディングページに問題がある」もしくは「広告内容と商品にズレがある」ことが考えられます

顧客獲得単価(CPA)とは

顧客獲得単価(CPA)とは、1つのコンバージョンを獲得するために費やした平均単価のことです。
式に表すと以下となります。

顧客獲得単価(CPA)=かかった費用÷コンバージョン数

顧客獲得単価が低いほど、効果的な広告運用ができていることになります。
CPAは広告費用が利益を圧迫していないかどうかの指標となります。
この数値を可能な限り低く抑えることが、リスティング広告を最適化する上で最も重要です。

4つの指標 - CPC、CTR、CVR、CPA
4つの指標 – CPC、CTR、CVR、CPA

4つの指標の平均値

数値の高い低いの判断材料として、前述した各数値の平均値をご紹介します。
WordStreamが2018年にGoogle広告において、20の業種で4つの指標について平均値を調査した結果が以下の通りです。

CPC CTR CVR CPA
 全産業平均   2.69ドル   3.17%   3.75%   48.96ドル 
 ECサイト   1.16ドル   2.69%   2.81%   45.27ドル 
 家庭用品   2.94ドル   2.44%   2.70%   87.13ドル 
 金融&保険   3.44ドル   2.91%   5.10%   81.93ドル 

参考:Google Ads Benchmarks for YOUR Industry [Updated!]

今回は20業種のうち、参考までに「全産業平均」「ECサイト」「家庭用品」「金融&保険」を紹介します。
ECサイトは、全産業平均と比較するとCPCやCPAが高く、CTRやCVRが低いことが分かります。

上記で紹介したデータは、米国のアカウントのサンプルをもとに算出されました。
日本でも同程度と仮定すると、以下の平均値が広告運営の目標値となります。

・クリック単価(CPC) 1.16ドル×114.8=133円
・クリック率(CTR) 2.69%
・コンバージョン率(CVR) 2.81%
・顧客獲得単価(CPA) 45.27ドル×114.8=5,197円
※1ドル=114.8円として算出(2022年3月1日時点での為替相場を参考)

これら4つの指標の平均値は、商材によっても上下しますので、あくまでも参考値としてご活用ください。

具体的な改善案の例

ここからは、リスティング広告の具体的な改善案の例をご紹介します。
もしも自社のリスティング広告にも当てはまる課題がありましたら、ご参考にしてみてください。

クリック率(CTR)が目標値より低い場合

CTRが悪い要因は、2つ考えられます。
1つは、広告内容に問題がある場合です。
クリックされないということは、その広告はターゲットにとって魅力的でないかもしれません。

2つ目の要因として考えられるのは、想定したターゲットと実際のユーザーにズレがある可能性です。
どれだけ素晴らしい広告でも興味のない人達にとっては何の魅力も感じませんので、クリックされることはありません。

上記の要因からCTRの改善には、広告文や広告タイトルを変更することが有効です。
2つの広告を作成して比較する、「ABテスト」も有効な手段となります。

また、そもそもターゲットが間違っている可能性もありますので、実際に購入してくれたお客様がどういう人達だったのかという点も確認しましょう。

コンバージョン率(CVR)が目標値より低い場合

1つ目のCVRが悪くなる要因として、ページの使いづらさが挙げられます。
CVRが低いということは、広告をクリックしてくれた数のうちコンバージョンまで至った数が少ないということです。
広告をクリックしたということは、ユーザーは商品に興味はあるということです。
しかし、ページが分かりづらかったり、購入手続きが煩雑だったりすると、購入する前に離脱してしまいます。

2つ目の要因として、広告内容とページの内容がかけ離れていることが考えられます。
広告を見て興味を惹かれたユーザーがページを見て、「思っていたのと違う」と感じるため、すぐにページを離脱してしまうのです。

CVRの改善には、ページを見直すことが有効です。
ユーザーの離脱を防ぎコンバージョンまで至ってもらうには、ユーザビリティの高いページを意識しましょう。
また、広告内容と一致したページ内容かどうかの確認もあわせて行います。

クリック単価(CPC)が目標値より高い場合

CPCが高いとき考えられる1つ目の要因は、広告の品質が低いことです。
広告の掲載順位は「上限クリック単価」と「広告の品質(品質スコア)」によって決められます。
つまり広告の品質が低いと、広告を掲載するために必要なクリック単価が高くなってしまうのです。

2つ目のCPCが高くなる原因は、競合他社の入札額が高くなることです。
クリック単価は自社の入札価格だけではなく、競合他社の入札価格にも影響されます。
競合が激しくなると、掲載するために必要なクリック単価が高騰します。

CPCの改善には、広告の品質を向上させることが効果的です。
広告の品質(品質スコア)が上がると掲載に必要なクリック単価が下がるためです。
また、競合が激しいキーワードに入札する場合は、クリック単価が高騰しても割にあうかどうかで判断しましょう。

※リスティング広告の掲載順位や、広告の品質(品質スコア)を上げる方法は、以下の記事をご確認ください。

リスティング広告を効果測定・分析するポイント及び注意点

リスティング広告を効果的に運用するためには、様々な数値を分析して出稿内容を調整する必要があります。その際、以下の8つの点に注意しましょう。

比較するときは期間や対象など、条件を揃えて比較する

1つ目の分析方法のポイントは、比較する際には期間・対象などの条件を揃えることです。
条件がバラバラでは、効果が低いのか高いのかを正しく判断できません。

商品によっては先月と今月の結果を単純に比べることはできません。季節性のある商品などがそうです。
夏季に需要が高まる商品では、8月と比べて9月・10月の売上が落ちるのは当たり前のことです。
このような商品は、前月比ではなく昨年比が有効でしょう。
もしも昨年の方が売上が良いのであれば、今年の広告内容を見直した方が良いかもしれません。

また商品によってCPAは異なります。
CPAが高くても利益が出るものもあれば、逆にCPAが低くても利益が出ないものもあります。
単純に商品同士のCPAを比較して、「この商品は他の商品よりCPAが高い/低い」と判断するのは早計です。
このような場合は、利益率が同程度の商品同士で比較するのが有効でしょう。

全体を把握してから、それぞれの数値を確認する

リスティング広告を効果的に運用するためには、まず全体を把握してから、それぞれの数値を確認することが重要です。

リスティング広告の管理画面では、インプレッション数、クリック数、コンバージョン数など、様々な項目を数値で確認できます。
中には以前よりも数値が下がっている項目もあるでしょう。そのような項目を見つけると、改善したくなるかもしれません。
しかし数値が下がっている項目全てに対して改善施策を行うことはできません。
仮にできたとしても、かけた工数に見合うだけの成果を得られることは少ないでしょう。
どこか1か所だけ改善したとしても、その項目が広告全体に与える影響を考慮していなければ、その項目の数値は改善したが広告全体の数値は改善しなかった、ということも起こり得ます。

つまり全体を把握していないと、本当に対処しなければならない項目が分からなくなってしまうのです。

こういった事態を防ぐためには、まず広告全体の数値を確認します。
そして仮説でもいいので、数値に悪い影響を与えている要因を把握します。
この要因を改善するためにはどこの項目を改善すればいいのか、という順で考えていきましょう。
このとき重要なのは、広告全体により大きい影響を与える項目を優先的に行うことです。

仮説を立ててから分析する

ユーザーの行動を理解するためには、仮説を立ててから分析することが効果的です。

具体的には「ユーザーはこのような商品を求めていて、このようなキーワードを検索しているのではないか」といった仮説を立てます。
広告が期待通りの結果を出している場合は、仮説が合っていると言えます。
しかし、反対に期待通りの結果が出ていない場合は、仮説が間違っている可能性が高いです。

このような場合は、ユーザーの行動ログを確認しながら、仮説との違いを把握しましょう。
行動ログを確認する際は、離脱率・回遊率・かご落ちの状況などに注目すると良いでしょう。
またサイトに流入してくる際の検索キーワードを確認することも有効的です。
このように、仮説→実施(広告出稿)→分析→改善のPDCAサイクルを回すことで、効果的な広告運用が可能となります。

リスティング広告のPDCAサイクル
リスティング広告のPDCAサイクル

事実と仮説を混同しない

仮説を立てて分析する際は、事実と仮説を混同させないように注意しましょう。
事実と仮説を混同してしまうと、ユーザーのニーズを模索するのではなく、結局は自分の思い込みを優先させることになるためです。

データから得られる情報に、「もしかして…」「…かもしれない」のような曖昧なニュアンスはありません。
分析には、データという事実のみを判断材料にしましょう。

数値が良い場合も悪い場合も、分析して要因を特定する

分析しなければならないのは、結果が悪い場合だけではありません。
良い場合も、同様に分析して要因を特定することが大切です。

広告の効果を確認する時は、どうしてもどこに問題があるかに注視しやすいものです。
しかし、良い結果が出ている広告からも学べることは多くあります。
なぜ結果が出ているのかを深堀りすることで、自社商品の強みを再確認できることもあります。
良い結果が出ている広告は成功事例として、その後の広告運営に活かしていきましょう。

改善案を検討する際は、現実的に実施可能な内容にする

改善案は、現実的に実施可能な内容にしましょう。

例えば、CPAのとても良いキーワードがあると、「このキーワードを検索する人が増えないかな」と思うかもしれません。
実際に検索するユーザーの数を増やすならば、テレビ・CM・テレビショッピング・雑誌などの様々な広告媒体で潜在顧客にアピールする必要があります。
しかし(予算にもよりますが)コスト面を考えると、この方法はあまり現実的ではありません。

現実的な方法としては、「入札キーワードを増やす」「上限クリック単価をアップし、さらに上位表示させる」などでしょう。
ECサイトの運営規模によって人員・広告予算などは違いますので、自社のリソース内で実施可能な改善案を検討することが大切です。改善案も、実施できなければ意味がありません。

本来の目的を見失わない

ECサイトにおけるリスティング広告の目的は多くの場合、ユーザーに「商品を購入」してもらうことです。
その本来の目的が達成できるように、分析・改善しましょう。

インプレッション数やクリック数が増えると「広告の結果が出た!」と考えそうになりますが、それが目的(購入)に繋がっていなければ、効果が出たとは言えません。

リスティング広告運用では、本来の目的を見失わないようにしましょう
リスティング広告運用では、本来の目的を見失わないようにしましょう

リスティング広告運用のフロー

リスティング広告を効果的に運用するためのフローを紹介します。

ステップ1.現状の課題と目標を設定する
数値から現状の課題を洗い出し、それを解決するための目標を設定します。

ステップ2.仮説を立てる
「こういう要因で課題が発生しているのではないか」「こうすれば課題解決し、目標達成できるのではないか」という仮説を立てます。
この時ユーザーの行動を想像し、それに基づいて考えるとよりリアルな仮説を立てられます。

ステップ3.改善案を検討する
仮説を元に改善案を考えます。
「上限クリック単価を○○円にする」「キーワードを○○個増やす」というように、できるだけ具体的な案を出すことが重要です。

ステップ4.改善案を実施する
検討した改善案を実施します。この時注意してほしいのは、一度にいくつも実施しないことです。
一度にたくさんの施策を行ってしまうと結果を確認する時に、何が原因なのか特定しづらくなってしまうからです。
やってみたい施策がたくさんある場合は、優先順位をつけて1つずつ実施するか、別のキャンペーンやグループを作成して実施しましょう。

このフローを定期的に繰り返して、リスティング広告をどんどん最適化していきましょう。

リスティング広告を効果測定・分析する上で重要な考え方

リスティング広告の運用を効果的にするためには、効果測定・分析する上で重要な考え方が3つあります。

すぐに結果が出るわけではない

リスティング広告は、改善行動をとったからといってすぐに効果がでるとは限りません。
焦る気持ちも分かりますが、正しく効果測定・分析するために、一定期間広告をそのままの状態で運用し続け、データを蓄積しましょう。少ないデータ量で正しい判断はできません。

良くなることもあれば悪くなることもある

改善行動をとったからといって、必ずしも改善されるとは限りません。
良くなることもあれば、悪くなることもあります。
結果が悪くなってしまったら、また新たな仮説を立てて改善を続けましょう。

数値だけでは判断できない要因もある

トレンドは数値で追うことはできませんが、広告結果に大きく影響を与えるものです。
リスティング広告を正しく分析するためには、トレンドなどの数値には現れない情報にアンテナを張ることも重要です。

【まとめ】リスティング広告に正解はない!効果測定・分析で改善し続けることが重要

リスティング広告の運用に、画一的な正解方法はありません。
自社に適切な運用方法を見つけるには、仮説を立てながら効果測定・分析するしかありません。

またリスティング広告を分析・改善するためにはCPC・CTR・CVR・CPAなどの指標が重要です。
それぞれの指標についても理解し、より効果的な広告の出稿を目指しましょう。

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